現場リアル

介護現場の人間関係が悪い3つの理由を解説します

SNS上でも何かと話題に上がる「介護施設での人間関係問題」

介護士の離職理由についても、世間では「待遇面」や「重労働」といった環境面に目が向けられがちですが、介護士同士のコミュニティでは処遇(待遇)問題以上に、「人間関係」が問題視される事が多くあります。

その実態は「直前の介護の仕事を辞めた理由」という調査結果からも見て取れます。

【最新】介護士の退職理由をランキング「第一位はやはり…?」こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。 常々問題視される介護業界での介護士不足。 例えば、 ・介護...

人間関係悪化の3大要素

「介護施設=人間関係が悪い」

もはや「これは当たり前じゃないの?」というような風潮は、近年強まるかりです。

もちろん人間関係が問題となる業界は、介護業界に限った事ではありませんが、私なりに「人間関係が悪化する三大要素」を考えてみました。

■介護業界における人間関係悪化の3大要素

①現場忙しすぎ問題

②お局さまの勢力拡大問題

③採用ハードル低すぎ問題

これはあくまで私が感覚的に導き出した問題要素ではありますが、少なくとも人間関係が問題となっている介護現場では、このいずれかが問題となっていないでしょうか?

その1.現場忙し過ぎ問題

介護現場でお勤めのみなさん「介護現場は忙しいですよね? いや忙し過ぎませんか?」

まず介護現場が忙しすぎると何が起こるのかを考えてみます。

■現場が忙し過ぎると起こる負のスパイラル

①忙し過ぎて、仕事や周囲に対して余裕がなくなる

②その結果、同僚介護士や部下への配慮や寛容の心が無くなる

③そして同僚・部下への言動や立ち振舞いが荒れる

④コミュニケーションの取りづらいギクシャクした関係が構築される

このような負のスパイラルが見事に完成してしまうわけです。

ただ勘違いしてもらいたくないのは、「忙しいこと」が必ずしも悪なのではなく、「忙しすぎる事」が悪だという事です。

適度な忙しさは、時に刺激に繋がり、場合によっては同僚介護士との連携や結束を強める結果になります。

言い換えれば、暇で退屈な職場だとしても、それはそれで刺激が無く無駄にストレスが生まれたり、職場としての一体感は生まれにくくなるものです。

今の介護業界においては恐らく無縁ですが・・・

その為、「忙しいこと」自体を否定するつもりはありません。

問題は「忙し過ぎる」というところにあります。

そして多くの介護施設は、この「忙し過ぎる状況(余裕の無さ)」に陥り人間関係に乱れを生じさせてしまっています。

その2.お局さまの勢力拡大問題

2つ目は、これまた介護現場ではよく聞く「お局さま問題」です。

■「お局さん」とは??

勤務歴が長く、新人や部下はもちろん、上司も含めた周囲の職員に対して、過度発言権を持つよう職員。

(お局さんの行動例)
①自分は仕事をしないで偉そうに指示や不平不満ばかり並べる
②積極的に派閥を作り、自身の価値観の浸透を図る
③気にいらない職員を平気でいじめたりする
④必要以上に偉そうな立ち振舞で仕事をする

特に管理職のマネジメントが行き届いていない介護施設では、こうしたお局さんの勢力は拡大する一方です。

この「お局さまの勢力を拡大」を後押ししてまっている事情は大きく2点です。

■介護業界でお局さんの勢力拡大が進む理由

①部下を管理し、間違いを指摘できる管理者が少ない
→お局さんの発言権が増すばかり

②介護士不足が深刻で、たとえ問題のあるお局さんだとしても居てもらいたい
(辞められるのが怖く、結局指導できない)
→結果、お局さんからの攻撃対象は広がる一方

通常の職場であればこうしたネガティブの根源は摘み取られるべきなのですが、管理職の力不足、統率力不足、更には人手不足を前に、対応はどんどん後手に回ってしまっています。

お局さんが絶大な権力を握るような介護施設で、健全な人間関係を築く等ということは並大抵のことではありません。

その3.採用ハードル低過ぎ問題

3つ目は、「採用する介護士のレベルの低さ」に起因した問題です。

「どう考えてもこの人はちょっと難しいのでは・・・?」というような介護士が採用されて、現場配属されてきたという経験はありませんか??

「難しい」というのは、介護士としてのスキルでは無く、資質面においてです。

「一から現場で育ててあげてください」と言う管理者さんもいますが、あくまでもそれは最低限の資質が伴っていての話であって、最低限の資質が伴わない人を育てるにも限界があります。

さらにこの手のパターンでは「管理者自身も採用した人が難しい人物だとわかっている」という事がよくあります。

介護士不足の中で採用のハードルが下がり、管理者自身も「厳しそうだけれど、居ないよりは居たほうが良いのでは?」という発想を元に勇気を持って採用してしまうわけです。

結局こんなことを繰り返していると、介護施設の採用ハードルは更に下がり、悪循環を繰り返します。

■採用ハードル低下による負のスパイラル

①管理者が「問題のありそうな介護士」でも勇気をもって採用

②その結果、既存の介護士の負担やストレスが増加

③真面目に働き貢献度の高い介護士から辞めていく

④介護士不足に拍車が掛かり、ますます採用ハードルが下がる

そしてこのスパイラルを繰り返すことで、人間性に問題がある職員が増え続け、最終的に人間関係を崩壊に導きます。

介護現場で「人間関係が悪い理由」のまとめ

「介護業界における人間関係悪化の3大要素」と大々的に書かせていただきましたが、いかがでしょうか?

多くの介護士の方が一度は経験されている事ではないでしょうか?

一方でここまでお読みいただけるとわかると思いますが、こうした人間関係悪化の本当の根源にあるもの「現場の介護士不足」だということです。

■介護業界における人間関係悪化の3大要素

①現場忙しすぎ問題 ⇒ 介護士が足りないから

②お局さまの勢力拡大問題 ⇒ 介護士が足りず、取るべき指導がとれないから 

③採用ハードル低すぎ問題 ⇒ 介護士が足りず採用せざるを得ないから

これはあくまで私が感覚的に導き出した問題要素ではありますが、介護士不足が少なくとも人間関係に影響している事がうかがえます。

そして「介護士が足りないのはなぜなのか?」

一番はやはり「処遇(待遇)問題」が改善されず、人が集まらないからではないでしょうか?

だからこそ勘違いしてもらいたくない事は、介護士の離職原因は「人間関係が主であり処遇問題ではない」という誤った認識や風潮です。

■介護士の離職問題のまとめ

①介護士離職の直接的原因は「人間関係の問題」

②ただしその背景には「介護士不足の問題」がある

③そして介護士が増えない原因は「介護士の待遇問題」

このように見方一つですが、様々な理由が相まって介護士は集まらず、そして退職に追い込まれます。

それだけ介護業界の介護士不足は、根深く大きな問題だと言えます。

だからこそ、こうした問題がより取り上げられ、広げられることで介護業界の見直しに繋がる事を願いたいばかりです

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