こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
私は、新卒で介護業界に飛び込み11年間介護現場や管理職を経験してきました。
その後、転職コンサルに5年間従事し、現在は介護コンサルをする傍ら、介護現場で介護士としても現場のお手伝いをさせていただいています。
当ブログではそうした中での経験や思いについて、書き記していきます。
ちなみにそんな元転職コンサルでもある私、ごろにぃがオススメしている転職サイト(エージェント)が、しろくま介護ナビです。
「ホワイトな介護現場の求人のみをピックアップする」をテーマに「しろくま」と命名され、新聞にも取り上げられる程の転職サイトです。
ブラックと言われる介護業界に一石を投じるサポート方法で、私自身も自信をもってご案内しています。ぜひご参考に。
入り口から少し脱線しましたが、それでは本題。
介護業界に限った事ではありませんが、みなさんは仕事をしている中で「これはあなたの為なんだからね!」と仕事や考え方を押し売りをしてくる上司に出会った事はありませんか?
- 仕事のむちゃぶりをして「それはあなたの為になるから」
- 退職を申し出ると「続ける事があなたの為になるから」
実際、私はこのようなケースが少なくないと思っています。
もちろん中には単なる押し売りではなく、本当に相手の事を考えて、成長を願って、意味を込めてこうした発言をしてくれる上司もいます。
ただし、人手不足の介護業界では、この「あなた為だから」という謳い文句で、介護士に無理を押し付けようとするような人も少なくありません。
今回はこの職場で飛び交う「あなたの為だから」という言葉について、背景も含め記事を書いてみたいと思います。
「あなたの為だから」の発生シチュエーション
まず仕事を通じて「あなたの為だから」という言葉が飛び交うシチュエーションについて、私自身の経験や周囲からよく聞くエピソードを元に考えてみたいと思います。
仕事の無茶振りも「あなたの為だから」
まず仕事のする中で「あなたの為だから」という言葉が飛び交うのが以下のようなシーンです。
- 残業をお願いする際に「今頑張るのがあなたの為だからね」と
- 業務改善提案をすると「今のやり方があなたの為になるからね」と
- 人間関係について相談すると「我慢する事があなたの為になるからね」と
これらのように現場において、面倒なお願いをするシーン、対応や変化をもたらすのが煩わしいシーンにおいて「それがあなたの為だから」という謳い文句一つで、異論を受け付けないようなコミュニケーションのとり方をする上司が少なからずいます。
仕事を続ける事も「あなたの為だから」
また、この「あなたの為だから」は退職を申し出る際にもよく言われる一言だったりもします。
「辞めたい」と相談した時に、あたかも「君の為だ」と言わんばかり慰留にあう事が多い。
・まだまだこれからなのに
・もったいない
・他はもっとキツいよ
・他じゃ通用しないよ普通に「君が必要だ、辞めないで欲しい」で良くない?
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) October 8, 2019
- 今辞めたらもったいない「ここで頑張るのがあなたの為だよ」と
- 他はもっと大変だし通用しないよ「ここで頑張るのがあなたの為だよ」と
これらのように退職を申し出る最後の最後まで「私達の言う通りにする事があなたの為だよ」と「あなたの為」を押し付けてくる上司がいたりもします。
「あなたの為」が結局、上司や職場の都合である場面が往々にしてある
これらの「あなたの為だから」という言葉が日常的に飛び交う職場が少なくないのが現実。
別に「あなたの為だから」が必ずしも悪い言葉なわけではありません。
ただし現実問題として、この「あなたの為だから」が、結局上司自身や職場の都合でしかないような場面が往々にしてあります。
例えば上記で挙げたような「あなたの為だから」のシチュエーションの裏側には、実際こうした思惑が見え隠れしている事が少なくありません。
- 残業をしてもらわないと職場が回らない
- 業務改善をする余裕や価値観を持ち合わせていない
- 人間関係に介入するのが煩わしい
- 辞められた人手が足りずに困る
いずれも「あなたの為」ではなく、「職場や上司の為」でしかありません。
「苦労は買ってでもしろ」と言うように、中には「本当に自分自身の為になるもの」もありますので、この全てを否定するつもりはありません。
ただしそれでもこの多くは「要はそれって、自分が困るからでしょ」と感じざるを得ないようなシチュエーションで、「あなたの為」だという言葉が振りかざされているという事です。
「あなたの為だから」と「お願い・ありがとう」に代えるだけで好転する事もある
ここまで「あなたの為だから」という言葉を問題ある表現かのように書いてしまっていますが、もちろんそんな事はありません。
本当に相手の為になると思っているのであれば、「なぜそれが相手の為になるのか?」というところをしっかり説明と動機づけをする必要がありますし、それが無ければお互いが前向きに業務に取り組めはしません。
逆にもし本記事内でも書いているような「職場の都合」や「上司の都合」を「あなたの為だから」に変換して、発言しまっているのであれば、それはやはり見直すべきです。
実際、残念ながら多くの介護士は「あなたの為だから」等という表面的な励ましを額面通りには受け取ってくれませんし、むしろそんな小手先の一言は逆効果であったりもします。
むしろ本当に助けを請いたいのであれば、「あなたの為だから」という上からの押し付けではなく、「お願いする」「感謝する」という姿勢を持つ事を意識するべきだと思います。
- 無理を言って申し訳ないけれど、強残業をお願いできないかな?
- 職場の改善について考えてくれてありがとう、検討してみるね
- 正直退職されると困るんだけど、悩みについて聞かせてもらえないかな?
これらはあくまでも一例に過ぎませんが、少なくとも「あなたの為だから」と上から押し付けたりするくらいなら、こうした歩み寄りの姿勢を持つことが課題の本質改善に繋がりますし、伝え方一つで伝わり方も全て変わります。
繰り返しになりますが、
「あなたの為だから」というので、それがなぜそうなのかをしっかり説明する責任がある。
もしそれができないのであれば、ただの押しつけに過ぎません。
そして表面的な「あたなの為」という言葉をただ押し付けられて「そうか自分の為になるのか」と素直に受け入れる程、できた人間はそうはいません。
上司だから押し付けるではなく、当たり前に「お願いする」「感謝する」等といった思考や対等なコミュニケーションなしに、健全な現場運営ができるはずもありません。
心当たりのある方はコミュニケーションのとり方について、見直した方が良いのかもしれません。