転職

【介護職のオープニング求人】人気の裏に潜むリスク

転職希望の介護職に人気のある「オープニング求人」

基本的に転職を考える際、多くの人は「待遇」「職場環境」に重点をおいて仕事探しを始めます。

給与や休日等の「待遇」が働く上で大事なのは言うまでもありませんが、介護職の場合はこの「待遇」以上に「職場環境」が重視されるケースが珍しくありません。

その環境面については、様々な角度からみることができますが、環境の一つとして特に人気があるのがこの「オープニング」というものです。

「オープニング求人」が人気の理由

まず介護職になぜオープニング求人が人気なのかについて、まとめてみます。

■オープニング求人が人気の理由

①「人間関係」をゼロから構築できる

②立ち上げという「やりがい」が実感できる

③「きれいな職場」で働ける

 

①「人間関係」をゼロから構築できる

介護職の離職理由No1は「人間関係」です。

そうなると転職時に気なるポイントも「人間関係」となります。

ただしこの「人間関係」については、入社してみなければなかなか見えづらいものです。

だからこそ全員が同じスタートラインに立てるオープニングで、しがらみ無く人間関係を築きたいという方が多くなる傾向にあります。

②「立ち上げ」というやりがいが実感できる

またオープニングでは、「介護方針」や「ルール」等について、自分たちで考えたり決定したりという場面が多くなります。

こうした作り上げていく過程を前向きに捉えられる方にとっては、大きなやりがいとなる事も多いです。

③「きれいな職場」で働ける

オープニングは、基本的には新しい建物ですし、設備も新しいものが導入される傾向にあります。

毎日出勤する職場が、きれいな職場の方が気持ちが良いのはもちろん、設備等も新しければ介護職にとっても喜ばしいものです。

また介護施設特有の「匂い」もオープニングでは大きく抑えることができます。

「オープニング求人」のリスク

ではオープニング求人は「良い事づくし」なのかというと、そうとも言えません。

オープニング求人でも、場合によって既存の介護施設以上にリスクが潜んでいる事があります。

■オープニング求人のリスク

①立ち上げる事の大変さ

②意外に高い離職率

③待遇が悪化するリスク

①立ち上げる事の大変さ

オープニングの人気理由には「立ち上げのやりがい」を上げましたが、この点は諸刃の剣とも言えます。

現在の介護士不足の中では、当初の予定人員を確保できずにオープンを迎える介護施設も少なくありません。

「オープニングには応募者が殺到」等というのは昔の話で、最近ではそうした傾向は見られないようになってきています。

またオープニングでは即戦力が求められる傾向から、経験者が多く採用されます。

今まで違った環境で経験を積んできた介護職同士でルールを作り上げるわけですから、「前の職場では〇〇だった」「こうすべきだ」等と様々な価値観が飛び交います。

必ずしも正解が一つではない介護現場だからこそ、こうした中でルールを作り上げることも非常に困難です。

②意外に高い離職率

こうした立ち上げの期の難しさ故に、価値観の違い等から人間関係がぎくしゃくしたり、派閥ができたりというケースも珍しくはありません。

こうした背景から、オープニング1年目の離職率は非常に高い傾向にあります。

オープン1年で職員の半数近くが入れ替わる等という例も少なくはありません。

それだけ、ゼロから人間関係やルールを作ると言っても難しい事が伺えます。

③待遇が悪化するリスクも

そしてオープニング求人の負のスパイラルが、待遇に影響を与えるケースもゼロではありません。

介護職の確保や定着が進まなければ、利用者さんを確保できません。

その結果、当初想定していた収支確保ができず、入社前に見込まれていた賞与が払われない等のケースです。

賞与額や昇給額が業績に連動する事自体は、オープニングに限った話ではありませんが、業績が不安定になりがちなオープニングだからこそ、待遇面に影響がでるリスクについても考えておく必要があります。

まとめ

いかがでしょうか。今も昔もオープニング求人が人気である点には変わりはありません。

実際オープニング求人が故に「うまく人間関係が作れた」「やりがいを持って仕事ができた」という方もいらっしゃいます。

私が転職コンサルをしていた時も、「とにかくオープニング希望です」と頑なにオープニング求人に拘って転職活動をされる方もいらっしゃいました。

でも「オープニングだからOK」という発想は少々危険かも知れません。

私が言いたいのはオープニングが悪いということではく、オープニングにも良し悪しがある為、メリットにばかり目を奪われて、過度な期待をしてはいけないという事です。

もちろんそれはオープニングであれ、既存あれ変わりません。

早期退職に至ってしまう方の多くは「過度な期待」ととも入社し、現実に幻滅し退職するというパターンです

転職において大事なことは、自分の中でもメリットとデメリット、そしてどんなリスクがあるかを整理しておくことです。

その材料一つとして、オープニング求人であるという事を加味する程度で十分です。

転職という大事な転機だからこそ、一部分だけを見て判断するのでなく、自分自身の身構えや事前に転職に向けた整理が重要になります。

 

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