ご利用者様の呼び方は正しい?介護現場で迷わない敬称と確認ポイント
結論からいうと、介護現場の呼び方に一律の正解はありません。基本は本人が希望する呼び方を確認し、名字または名前に「さん」を付け、職員間で共有することです。
「ご利用者様」は文書や外部説明では丁寧ですが、日常会話では距離を感じる人もいます。反対に、愛称や「おじいちゃん」「おばあちゃん」は親しみのつもりでも、本人の意思を確認せず使うと子ども扱いや関係性の押し付けになり得ます。
呼び方は本人の希望を最優先にする
入所・利用開始時に、本人と家族へ「普段は何とお呼びすればよいですか」と確認します。家族の希望だけで決めず、本人が答えられる場合は本人の意思を優先します。
普段、ご家族や周りの方からは何と呼ばれていますか。こちらでは何とお呼びするのがよいでしょうか。
介護現場11年の経験では、職員が丁寧だと思う呼称と、本人が心地よいと感じる呼称が一致しないことがあります。確認した内容は個人の記憶だけにせず、施設のルールに沿って申し送りや基本情報へ残します。
迷ったときの基本は「名字+さん」
希望がまだ確認できないときは、「名字+さん」が比較的無難です。ただし、同姓の利用者がいる、旧姓を使っている、名字より名前で呼ばれたいなどの事情もあります。本人確認が必要な場面では、呼び方だけに頼らず施設の確認手順を守ってください。
避けたい呼び方と注意点
- 本人の了承がない呼び捨てや愛称
- 「おじいちゃん」「おばあちゃん」と家族関係を決めつける呼び方
- 「利用者」「○号室」と人を属性だけで呼ぶこと
- 職員によって敬称が変わり、本人を混乱させること
- 本人が嫌がっているのに「親しみだから」と続けること
認知症がある人には、なじみのある名前が安心につながる場合があります。一方、昔の役職名や愛称がよいとは限りません。反応を観察しながら、本人・家族・職員で共有して調整します。
職場で統一する4つの確認項目
- 本人が希望する呼び方
- 同姓同名や聞き間違いのリスク
- 記録・申し送りで使う正式表記
- 呼び方を変更したときの共有方法
声かけ全体を見直したい場合は、介護の声かけ言い換え例も参考にしてください。
違和感のある呼び方を見かけたとき
○○さんは、その呼び方を希望されていますか。記録上の希望を一緒に確認してもよいでしょうか。
相手を責めるより、本人の希望と施設ルールを確認する形で伝えると話し合いやすくなります。呼び方への違和感を相談しても改善されない場合は、接遇研修や職場の相談経路も確認しましょう。職場選びでは、介護職の職場見学チェックリストから職員の声かけも確認できます。
まとめ
介護現場の呼び方は、丁寧さだけでなく本人の希望、尊厳、安全確認、職員間の統一で決めます。迷ったら「名字+さん」を基本にし、本人へ確認して記録・共有してください。呼び方は小さなことに見えて、支援関係の土台になります。