退職を伝えた後に「給料を上げるから残ってほしい」と言われても、その場で返事をする必要はありません。まず確認するのは金額だけではなく、いつから、基本給か手当か、恒久的な変更か、書面で確認できるか、そして退職を考えた本来の理由が改善するかです。

給料アップの引き止めに即答しない

介護現場では、欠員が出ると勤務表や夜勤体制への影響が大きいため、退職の申し出後に条件を提示されることがあります。評価されている可能性はありますが、急な欠員を避けるための一時的な提案という場合もあります。

現場11年と管理職経験から言えば、金額だけで残ると、数か月後に「人員不足も人間関係も変わらなかった」と再び悩むケースがあります。退職理由を給与とそれ以外に分けて考えることが大切です。

残る前に確認する7項目

  1. 増額はいくらか:月額だけでなく手取りへの影響も確認する
  2. いつから反映されるか:次回給与か、次の評価時期かを確認する
  3. 基本給か手当か:賞与や残業単価に関わる扱いを確認する
  4. 期限付きか恒久措置か:数か月だけの調整ではないかを確認する
  5. 役割が増えるか:昇給と同時に夜勤、委員会、役職が追加されないかを見る
  6. 誰が決裁したか:直属上司の口約束ではなく法人として決定しているかを確認する
  7. 元の退職理由が改善するか:人員、休日、人間関係、ケア方針の問題が残らないかを考える

口約束ではなく確認したい理由

「来月から上げる予定」「上に相談しておく」という説明だけでは、金額や時期が曖昧です。残留を決める前に、変更後の条件を確認できる文書を依頼しましょう。厚生労働省も労働契約の締結時に賃金などの労働条件を明示するルールを案内しています。条件変更についても、後から認識がずれないよう記録を残すことが重要です。

上司への確認テンプレート

ご提案ありがとうございます。判断するため、増額する金額、適用開始日、基本給または手当のどちらか、期限の有無、役割変更の有無を書面で確認させてください。退職を考えた理由には勤務体制もあるため、その改善案もあわせて確認したいです。

残る選択が合いやすいケース

  • 退職理由の中心が給与で、仕事内容や人間関係には納得している
  • 提示条件が具体的で、法人の決裁と書面確認ができる
  • 勤務体制や役割についても改善内容と期限が示されている
  • 他の職員との公平性について説明を受けられる

転職を続けて考えたいケース

  • 暴言、嫌がらせ、安全面など給与以外の問題が大きい
  • 昇給の条件が曖昧で、書面を出してもらえない
  • 人員不足をあなた一人の残留で埋めようとしている
  • 断ると責める、退職届を受け取らないなど強い圧力がある

強い引き止めや職場トラブルを一人で解決できないときは、厚生労働省の総合労働相談コーナーも利用できます。

返答を保留するときの伝え方

大切な条件変更なので、本日中の即答はせず、書面を確認して○日までに回答させてください。

残る・辞めるのどちらを選んでも、感謝と判断期限を簡潔に伝えれば十分です。転職回数が気になる方は介護職の転職回数より見られるポイントも参考にしてください。

まとめ

給料アップの提案は、残る材料の一つではありますが、それだけで決めるものではありません。金額、開始日、給与項目、期限、役割、決裁、元の退職理由を確認し、書面を見てから返答しましょう。条件が良くても退職理由が残るなら、当初の判断をもう一度大切にしてください。