労働条件

「介護士のモチベーション管理」が上司の最重要ミッションである理由

こんにちは「介護コンサルをしながら、現役介護士を両立」がモットーのごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。

突然ですが、質問です。

みなさんの周囲には、部下に対して「君、やる気あるの?」と高圧的に話かけてくる上司はいませんか?

これは介護施設に限った話ではないですが、意外の多くの職場で、このような「部下のやる気を質問する光景」や「やる気出しなよ」とせっつく上司を目にします。

でもそんな時に私がいつも思うこと。

「やる気を出させる事が上司の一番大切な仕事ですよ」と。

確かに今の介護業界には「やる気があるのか、ないのか分からない介護士」もたくさんいます。
何ならどうあがいてもやる気、要はモチベーションを上げさせる事が難しい介護士もいます。
それでもまずは、部下である介護士のモチベーションを気にかける事が、介護施設の上司として円滑に物事を進めるには最も大事なことだと私は考えています。

今回はこの介護士のモチベーション管理について、掘り下げて考えたいと思います。

「介護士のモチベーション管理」が上司にとって大事な理由

「そもそも介護士のモチベーションなんて、その人次第でしょ」と思われている方も少なくないかもしれません。
実際、部下である介護士自身がそういうスタンスかに左右される部分が大きい事も事実です。
それでも…だからこそ上司にとって介護士のモチベーション管理が大事な理由について掘り下げて考えます。

結局「部下のモチベーション」で自分の大変さが決まる

まず勘違いしてもらいたくないのは、「モチベーション管理は部下の為」だと言いたいわけではありません。
部下のモチベーション管理は、上司である自分の為に行うものです。

【モチベーション管理の前提】

部下の為にモチベーション管理するのではなく、

上司である自分の為に、部下のモチベーション管理をする

別に当たり前の話ですので、想像してみてください。

「介護士のモチベーションが高い職場(例)」

・介護士個人個人ががみんなしっかり働く
・仕事で協力し合う余裕や目向きさが生まれる
・介護のレベルが上がる
・生産性が上がり働きやす職場になる 等々

▶結果、「離職が減る」「残業が減る」等の形で、上司にしっかり跳ね返ってきます。

要は、上司は別にきれい事でもなんでもなく、自分の為に部下の介護士のモチベーションに注意すれば良いのです。完全にWINWINですね。

介護現場で能力以上にモチベーションが重視される理由

でも「生産を高める」「残業を減らす」等が目的であれば、最初から「能力の高い人を採用すれば良い」という声もあると思います。

確かに能力は高いに越した事ありませんし、低すぎるのであれば、それはそれで問題です。

ただし、介護現場では「能力以上にモチベーションが大事」な場面が多々ありません。
それこそ介護現場の仕事の多くは「能力」による差より「モチベーションによる差」が大きく現れます。

介護現場でよく聞く、介護士の不満を考えれば分かります。

【介護現場の不満(例)】

・やる気がない職員と一緒のシフトになると大変

・口ばかり手が動かない同僚が多い

・教えてもやる気がなくて、学ばない

これらの不満の例のように、今の介護現場では「能力不足」による課題以上に、仕事への姿勢(=モチベーション)に対しての課題が大きい事がわかります。

これは介護士の仕事は「我慢」や「落ち着き」が求められつつも、真面目に一生懸命働けば「一定の能力差をカバーできる仕事」だからです。

圧倒的な能力はあるに越した事はありませんが、別に無くても良いわけです。

間違ったモチベーション向上方法

たまに「私は、部下のモチベーション管理をしっかりやってます」という上司の方が大きな勘違いをして、残念なモチベーション管理をしている例を見受けます。

①過度に「介護のやりがい」を語る

例えば「モチベーションを上げる為に、介護のやりがい」を語るというものです。

別にやりがいを語るなとは言いませんが、そうした話は往々にして「自分自身の成功体験」や「武勇伝」のような「自慢話」や「独りよがりな話」になってしまいがちです。

残念ながらそれを聞いて「仕事を頑張ろう!」と思う介護士はほとんどいません。
むしろそれになびいてくれる介護士は元々やる気を持ち合わせてくれています。

それこそ「やりがい」は人から聞いてどうこうするものではなく、自分自身の体験を通じて感じるものです。

大事なことは「語る事」ではなく「体験させる事」です。

②残業している部下を褒める

他にもよくありがちなのが「残業している部下を褒める」というものです。

■残業している部下を見て、やりがちな声掛け

「いつもよく頑張るね!」
「●●さんがいてくれて助かるよ!」
「明日もよろしくね!」

こうした介護士のストレスになる残業に対して、悪気なく「もっとやる気を出してもらおう」と行った声掛けが逆効果になる事も少なくありません。

残業の場面で言えば「残業を褒める」「感謝する」よりも、現場介護士の望みは「残業を減らす」という事です。
「残業中を褒める」=「残業ありき」だと認識させてしまう事にもなってしまいかねません。

部下のモチベーション向上のポイント

じゃ結局、部下のモチベーション管理の為には「どうすれば良いの?」という声が聞こえてきそうです。
それ自体は実はそんなに難しいものではありません。

困ったらまずは自分が一緒に働く

まずシンプルに考えましょう。

「困ったら、まずは自分自身が一緒に働く」という事です。

もちろん上司には上司の仕事があるわけですので、常に現場にいるようは問題です。

でもまず、モチベーションを上げるも何も、自分の言動や行動に対して、素直に受け入れてもらえる関係性がなくては始まりません。

そうした意味で一緒になって「現場で働き、一緒に現場で悩み、汗をかく」。

古臭い言い方になりますが、人手が足りず疲弊している介護現場ではこれが一番有効だったりします。

無理をさせない

そして、介護士のモチベーションを上げさせる為に最も大事な事がこの「無理をさせない」という事です。

無理をすると悪循環が起きます。

・無理をすると過度に疲れる
・自分にも周囲にも余裕がなくなる
・現場でも揉め事やトラブルが多くなる
・結果、やる気が失われる

それこそ介護士のモチベーション低下原因は、こうした「無理」が根底にある事が少なくありません。

そうした意味では「残業を無くす」「有給取得を促す」等という事が、最も効率的な介護士のモチベーション管理です。

繰り返しますが、モチベーション管理ができれば管理職自身が楽をできます。

眼の前の「残業」「休日出勤」を取り除くだけで、意外に職場が好転するかも知れません。

利用者さんだけでなく介護士をみる

そしてよくあるのが、従業員満足よりも利用者満足を優先し過ぎてしまうという事です。

・トラブルがあった時、ロクに確認もせず介護士の事を責めていませんか?

・利用者さんの暴言や暴力を介護士に受け入れさせていませんか?

・「利用者さんが喜ぶから」と介護士に無理をさせていませんか?

利用者さんの事を大事にする事は当然の事です。

ただしそれは介護士の安全や安心、そして満足がなければ成り立ちません。

職場に満足していない介護士に、良いケアをしろと言っても響かないのはある種当然の事です。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございました。

介護施設で介護士が言うことを聞かない。

介護士がロクに働かない。

介護士がすぐに辞めてしまう。

こうしたものの根底には、介護士のモチベーションが影響しているのは間違いありません。

別に極端に高いモチベーションを求める必要はありません。

「仕事を頑張ろう」という最低限のもので構いません。

このモチベーション管理ができる上司が増えるかどうかが、良い介護施設が増えるかどうかの鍵を握っているようにさえ思います。

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