あるある

「私、退職できないんです」介護業界の「あるある問題」を考えてみた

こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。

介護業界でお勤めのみなさん、毎日のハードワークお疲れ様です!

突然ですが、みなさんの身の回りでは「私、退職できないんです」という言葉が飛び交ってはいませんか?

この問題、読んで字のごとくではありますが、「退職したいけれども退職できない(させてもらえない)」という板挟みに状態になる事を言います。

よく介護業界での転職タイミングで発生する「介護あるある」です。

今回はこの「私、退職できないんです」問題について、記事を書いてみたいと思います。

「私、退職できないんです」の介護あるあるパターン

この「退職したいけれども、退職できない」という問題。

自分の意思や主張を貫き通せる方からすると、正直あまり理解できないかもしれません。

実際そうした方の「だって辞めるも辞めないも自分次第じゃん」という声もよく耳にしますし、むしろ正論だと思います。

ただし、勤務先との板挟みになり「退職できないんです問題」に苦しんでいる方が多いというのも事実ですし、私自身転職コンサル時代には、これが理由で転職を断念される方を山ほど見てきました。

■転職コンサル時代に見てきた「介護士あるある」

「職場に不満があり、仕事を辞めたい!」と転職活動開始

②無事、納得の行く職場で採用がもらえ「これで今の職場とはさよなら!」

③満を持して上司に退職の申し出するも…

A「何とかもうちょっと頑張ってよ」のお願いパターン

B「あなたが辞めると施設が回らない、他の職員に迷惑が掛かって良いの?」の脅しパターン

C「これまで育ててもらって退職とは何事だ、絶対に認めない!」の怒りパターン

D「あなたは他の施設なんかでは通用しない」の投げやりパターン

このA・B・C・Dいずれかが上司から発動し

④「上司にそこまで言われるならと…」とせっかくもらった内定先に「私、退職できないので」と内定辞退の連絡

⑤「私、退職できないんです」と悩む

こんな流れで問題がいたるところで発生しています。

さらに多くの人はこれを何度もループする事がザラにありますので、たちの悪さは倍増ですね。

「私、退職できないんです」の本質

介護業界の「退職できないんです」が多発する理由

「私、退職できないんです」問題は、介護業界に限った話ではなく、別の他業界でもよくある話です。

ただし介護業界では、異業種と比較し明らかにこの発生頻度が高い傾向にあります。

■介護業界で「退職できないんです」の発生頻度が高い理由

①そもそも介護士不足が著しく、管理者も辞めさせまいと必死

②介護士ゆえにホスピタリッティの高い人が多く「同僚や利用者さんに迷惑をかけたく無い」という思いが先走る

③自己主張を押し通す事が苦手な介護士が多い

④管理者の感覚がマヒしており、引き止め工作が悪質

こうした様々な要素をはらんで、退職ができない、退職がしづらい環境が作り上げていきます。

「冷静に考える事」「自分を大事にする事」の必要性

そもそもこの「退職できなんです」に苦しむ人は、自分の状況を冷静に考えてみる必要があります。

先程の例を上げた4つの引き留め工作、A「お願いパターン」・B「脅しパターン」・C「怒りパターン」・D「投げやりパターン」これらはいずれも介護士側(退職を申し出た側)のメリットを一切度外視した、全て経営者や残された施設側のメリットからくるものでしかありません。

それにも関わらず、こうした理由での引き留めが通じてしまう事には、「冷静に判断できていない」「自分を大事にできていない」という事が上げられます。

幸い介護業界で転職先に困ることはそうはありません。

お世話になった職場にしっかり恩返ししてから退職したいというのは分かりますし、それ自体を否定するつもりもありませんが、これだけ外的環境が整っていれば、後は自分の意思を貫く姿勢だけではないでしょうか。

「退職できないんです」の成立が生み出す悪循環

そして「退職できないです」という介護士が増えれば増えるほど、従業員の事を考えない経営者の思う壺です。

更には辞めたいという声を受けて、何かを改善しようとするわけでなく、辞めれないように追い込む事で解決を図るわけですから、職場自体が良くなる理由は一切ありません。

それがまかり通り介護業界の管理職は、完全にマヒする一方ですし、ますます悪循環を生み出す結果にもなりかねません

退職を申し出る前にもう一度確認しておくこと

また満を持して退職の申し出る前には最低限の確認だけは怠らないようにして下さい。

しっかり自分で頭と状況を整理した上で、退職申し出をすることが、引き留めを振り払う勇気や覚悟にも繋がります。

反対に整理した結果、退職を考え直すという結果もありますし、転職だけが手段ではありません。

■退職までの3つのポイント

①本当に辞めるべきかは今一度しっかり考えましょう

②就業規則を確認しましょう

③有給の残日数を確認しましょう

①本当に辞めるべきかは、今一度しっかり考えましょう

これは私の転職コンサルタント時代の経験からくるものです。

過去の職歴の退職理由を聞いていくと「ここの施設は辞めて後悔してるんです」というセリフを何度聞いたことか。

「隣の芝生は青く見える」とはよく言ったもので、明確な転職の目的や理由が定まらない中で何となくの転職を繰り返してして後悔している介護士の方も多くいます。

今より良い環境を求める事自体は当然のことかもしれませんが、本当に退職するべきかどうかについては、しっかり自分の覚悟を固めてからにしましょう。

②就業規則を確認しましょう

就業規則には、「退職を申し出る場合は、退職する〇〇日前には申し出ること」と明記されているはずですので、しっかり確認をしてください。

一般的には「1ヵ月or2ヵ月前の申し出」をルールとしているところが多いですね。

実際のところ就業規則に定められた期間無視して、無理やり退職することも可能ですし、罰則を受けるケースもほとんどありません。

それこそ民法上でも「退職の申し入れをして2週間が経過すれば雇用関係を終了させられる」という事が明記されています。

ただし「強引な引き留め」を問題視する傍ら「強引な退職」を推し進めるような事は、おすすめできないというのが私の見解です。

介護業界という限られた世界では、転職先も含めてどこで誰が誰と繋がっているかもわかりません。

だからこそ尚更、自分自身の不義理な対応により自分の価値を下げる事はおすすめしません。

もちろん自分に害が及ぶケースや退職を受理する気のないような職場には、パワープレーです対応ですけれどね。

③有給休暇の残日数を確認しましょう

退職後少しゆっくりしたいという方は別ですが、多くの方は次の就業先を決定してから退職されるのではないでしょうか。

せっかく円満に退職合意しても有給残日数を確認しておらず、次の勤務先での就業開始までに有給休暇が消化しきれないという例も数多くあります。

有給休暇を消化するために次の勤務先に勤務開始日を変更してもらうなんて事になってしまうと、新たな門出が台無しになりかねないので、有給の残日数を把握した上で、計画的な退職を組み立ててください。

最後に、介護士が退職するための方法

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

最終的に様々な引き留め工作と向き合う中で、どのようにして退職をすれば良いのかという話です。

まず、結論から言います。

「すみません、それでも辞めさせていただきます!」

この一言で完結させるしかありません。

「こんなシンプルな方法じゃ」と思われるかもしませんが、「言い切る」「相手の主張を絶つ」これ以上に万能かつ効果的なものはありません。

引き止める側は先程の通り「お願い」「脅し」「怒り」「投げやり」というあらゆる引き留めの手段を使って、退職を望む介護士のスキを狙っています。

だからこそ、すきを見せずに「やりきる」「言い切る」ことが重要です。

また円満に退職したいという理由等から、正直な退職理由を言わずとも、家庭環境等で勤務継続が難しい旨を理由として説明するのも常套手段ではあります。

そこに至るプロセスや理由付けは自分が言いたい言い回しで構いません。

ただし大事なのは「言い切る」という事です。

これ以上に退職を完結させる手段は無いとしっかり肝に命じて下さい。

繰り返しになりますが、「退職できないです」は法人側の勝手な言い分と働き手側(介護士)の人の良さから発生してしまうものです。

大事なのは自分を大切にする事です。

誰のための仕事なのかをしっかり考えてください。

そしてそこまでのステップを踏んだ上で、退職の意思に変わりがなければあとは勇気を持って伝えるだけですね。

「転職するも善し、転職しないも善し」悔いのない介護士キャリアを応援します。

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