あるある

介護施設の「有給休暇の意味を認知できていない問題」について

こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。

有給休暇の一部義務化が4月よりスタートしていますが、皆さんの職場はどうでしょうか?

しっかり取得できますか?

取得はしやすい環境ですか?

残念ながら一部の介護施設はこうした「休暇」に対しての認識が弱く「休暇を悪とする風潮」や「休暇にしっかり休ませない」というような例が存在します。

有給休暇の取得を「悪」とする職場風潮

またまだ今の介護業界では「有給休暇取得」を「悪」とする風潮が強いと常日頃から感じさせられます。

休みなく働く事が「善」であり、職場に尽くす事が「正義」とする考え方です。

休暇できるかどうかの前に「休暇の取得を試みるまでに無駄なハードルがある」というのが、介護施設の特徴であり、さらに言えば日本の特徴です。

こうした風潮が根源の「悪」として存在します。

介護士「来月有給を取得したいのですが?」

上司「えっ、何で?どこに行くの?絶対必要な休みなの?」

このように有給申請をしようとすると「なんで?」「どこいくの?」とやたらと高圧的になる上司がたまにいます。

人手が少なく、シフトのやりくりに苦労するような介護現場であれば、確かに介護士の休暇は頭の痛い悩みになることでしょう。

ただしこのような高圧的なコミュニケーションで健全な現場が築けるはずありません。

どんどん休暇を取得しづらくしてしまい、結局退職に繋げてしまうだけです。

https://goronyi.com/post-455/

こちらの記事でも書いていますが、有給休暇は労働者の権利です。

それにも関わらず、このように強制しなければ、有給休暇の取得が進まないのが、今の現実です。

「休みの日」に職場から電話

また従業員の休暇を「休暇として認知できていないんじゃないか?」というのも大きな問題です。

介護士「あれ、休みなのに職場から電話だ。折り返ししないと」

上司「連絡が遅いよ!こっちは忙しい合間に電話してるんだから。介護現場が365日稼働している事くらいわかるでしょ?」

介護士「すみません…それで用件というのは?」

上司「来月のシフトの件だったんだけど、また次の出勤の時で良いや」

このように「えっ?そんな事で休日に電話?」というようなケースも少なくありません。

確かに入居系の介護施設であれば、365日24時間みんなで助け合って職場を回す必要があります。

でもだからこそ、シフト勤務という体制が敷かれており、仕事と休日のメリハリが付けられるように考えられているわけです。

それにも関わらず休日の職員に対して、急ぎでもなんでもない用件の電話をしてきて、偉そうにお説教をする上司は完全にお門違い。

「休日でも電話に出てもらって当たり前」「職場が中心で当たり前」という感覚は排除するべきです。

有給休暇のお礼

また「有給休暇の取得に恩を着せてくる介護現場」も存在します。

介護士「よし、休み明け今日から頑張ろう!」

上司「ちょっと良い?」

介護士「はい、どうしましたか?」

上司「どうしましたか?じゃないよ!、有給のお礼くらい言いなさい」

このように有給休暇に対しての「感謝」を迫るような介護現場でも一部では存在します。

自らが「周囲の協力もあって休みを取得できた」という意味でお礼を言うのはわかります。

ただしそれを上司に「感謝の言葉」として強要されることには甚だ疑問しかありません。

たまに勘違いしている上司が「有給を取らせて上げている」という表現をしますが、こうした発想自体がナンセンスです。

有給については、労働者側の権利なわけですから。

さらに言えば「有給休暇」を取得することを前提に計算されているのが、支払われている給与なのです。

この当たり前の事を当たり前に理解できていない典型的なパターンと言えます。

最後に

このように有給休暇の取得にはまだまだハードルのある介護業界。

また取得しても気持ちよく休めないというのも大きな問題です。

記事内でも書いた通り、有給の義務化が始まってもこうした風潮はなかなか変わりません。

でも各個人、各職場が少しずつ当たり前に有給を取得し、取得することが認め合う事でしか解決の糸口には成り得ません。

頑張って働くからこそ、メリハリを付けて休むときは休む。

それが良い仕事には欠かせないという事を是非とも理解いただきたいところです。

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