こんにちは「介護コンサルをしながら、現役介護士を両立」がモットーのごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
突然ですが、この記事をお読みいただいている皆さんの「介護士としての経験年数」はどれくらいありますか?
「介護現場の経験はありません」
「ちょうど3年程度の経験です」
「10年以上経験があります」
答えは実に様々だと思いますし、様々な経験をお持ちの方がこの記事をお読みいただいていると思います。
では、ここでいう経験年数が豊富にある介護士は、経験年数が短い介護士と比較して、優秀な介護士という事になるのでしょうか?
例えば
「10年の介護経験がある介護士は、必ずしも経験が5年の介護士よりも優秀なのでしょうか?」
実際、この経験年数が豊富にある事を振りかざし「自分は介護士として優秀だ」と経験年数を自信満々に振りかざす介護士も少なくありません。
というわけで、今回はこの経験年数を過度に振りかざす介護士について、私なりの考えを書いていきたいと思います。
介護士の経験年数を振りかざすとは?
まず「介護士としての経験を振りかざす」とはどういう事なのか2つほど例を挙げながら説明してみたいと思います。
(例1)経験年数を振りかざし、マウントを取ろうとする介護士
先日以下のようなTweetをしました。
介護士の経験年数について。
確かに経験した事が
「有る」「無い」の差は大きい。これは介護に関わらず、何でもそう。
でも経験10年の介護士が経験8年の介護士に、「自分の方が経験があるから正しい」と必死にマウントをとる姿を見ると、残念で仕方ない。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) May 18, 2019
このように介護現場で意見の食い違いが起きた際に「自分の方が現場の経験年数が豊富だから、正しい事を言っているに決まっている」と言わんばかりの介護士が稀にいます。
自らの経験期間をマウント材料として使われるような例です。
周囲の人間も「確かに経験年数の長い介護士の意見が正しいのかな?」と流されてしまう事も少くありません。
例2.「自分より経験年数の少ない介護士には教わりたくない」という新人介護士
また現場経験のある介護士が、転職してきた時にもこの経験年数の論争は起きてしまう事があります。
①介護経験を5年程有する介護士が新人として転職してくる
🔻
②教育担当に経験が3年の介護士が任命される
🔻
③教育担当の経験が3年だと聞いて「自分より仕事のできない介護士に教わる事に納得できない」と新人がゴネる
確かに、実際に教わる過程で、あまりにも教える側のレベルが伴っていないのであれば、教育担当に対しての小言もわからなくはありません。
ただし、正しく相手の理解もしないまま「ただ自分より経験が少ない」というだけで「下に見たり」「教わるものはない」と高をくくる姿勢には疑問を持たざるを得ません。
介護士の経験年数はあればあるほど良いのか?
ではそもそも「介護士としての経験はあればあるほど良いのか?」について掘り下げて考えてみたいと思います。
まず、私自身としては
「経験はあるに越した事がない」と考えています。
やはり「完全未経験の介護士」と「経験が1年でもある介護士」を比較すると仕事の質やスピード、事故のリスクは大きく異なると思います。
ただし
「経験期間が豊富である程、優秀かは別問題」だと考えています。
例えば「経験3年の介護士」と「経験が10年の介護士」と比較した時に、「未経験者」と「経験1年の介護士」と同じように仕事の質やスピード、事故のリスクが異なるかと言うと、必ずしもそうとは言い切れません。
それこそ差があったとしても「未経験」と「経験1年」程の差にはならないはずです。
これは当たり前の話です。
例えばスポーツの世界で考えるとわかりやすいと思います。
(例1)
「少年野球の経験している小学生」と「一切野球をした事なない小学生」
この2者を比較した時に、ほぼ確実に「経験している小学生」の方が、野球がうまいと言えるでしょう。
(例2)
では「プロ3年目の野球選手」と「プロ10年目の野球選手」
この2者を比較した時に「プロ10年目の選手」が「プロ3年目の選手」より野球がうまいかとというと何とも言えないのではないでしょうか。
このように経験はあるに越した事はありませんし、特に経験の有無という部分においては、多くの場合。経験者の方が優れた対応を取る事ができると言えます。
ただし、これは期間を重ねれば重ねる程、関係性が薄いものとなります。
ようは一通りの理解までに、経験の期間が業務レベルに反映される事があったとしても、それはあくまでも一部分的だという事です。
大事な事は経験の「期間」と「中身」
こうした例を見ていく中で、感じる事が2点あります。
介護士としての「期間」が豊富にあって「中身」が伴わなければ意味がない
どれだけ経験があっても結局、個人が有する資質によって大きく異なる
介護士としての「期間」が豊富にあって「中身」が伴わなければ意味がない
これは、本当に言葉の通りですが、どれだけ豊富な経験年数があったとしても「中身」の伴った期間で無ければ何の意味も成しません。
「しっかり教育してもらえる環境」「しっかり指摘しあえる環境」で積んだ5年の経験と「野放し状態」で積んだ5年の経験では雲泥の差です。
そして更に言えば
経験年数を気にする介護士程、中身のない経験を積んでいる傾向にある
というのが、私の主観です。
どれだけ経験があっても結局、個人が有する資質によって大きく異なる
またどれだけ経験があったとしても、最終的には各個人が有する資質や取り組みの姿勢によって大きく異なります。
これは当たり前の話ですが、同じ職場に同じタイミングで未経験介護士として入社しても「資質や姿勢」によって、吸収のスピードは大きく異なります。
これを言っては元も子もありませんが、実際のところ「経験年数」は目安にしか過ぎないという事ですね。
結論、経験年数を気にするだけ無駄
介護士としての「経験年数」について記事を書いてきましたが、いかがでしょうか?
記事内でも書いた通り、
「経験の有無が現場での業務に与える影響は比較的大きい」と言えます。
ただし、
「経験が豊富あれば良いかと言えば決してそうとは言い切れません」
だからこそ「相手がどれだけ経験のある介護士なのか」についてイチイチ気にするだけ無駄なのかも知れませんし、それをマウントの材料にしようとする等というのは以っての他です。
「介護現場で経験を経験を積んでいる」という自負がある程、つい「経験年数を振りかざしてしまったり」「自分は正しいと過信に陥ってしまったり」という事は起きてしまいがちです。
もちろん経験則で物事を判断する事も大事ですし、それが有効な場面もたくさんあります。
でも最終的には謙虚な姿勢で、フラットに情報を仕入れ比較できる介護士が最も伸びいわゆる優秀な介護士となっていくのだと思います。