こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
私は、新卒からこれまで約15年の間に「介護現場」→「現場管理職」→「転職コンサル」と経験を重ね、現在は介護コンサル会社に所属しながら、介護士として現場のお手伝いもさせていただいています。
このブログでは、そんな私自身の経験や考えについて、個人的な見解として発信させていただいています。
ちなみにそんな元転職コンサルでもある私、ごろにぃがオススメしている転職サイト(エージェント)が、しろくま介護ナビです。
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それでは早速本題です。
今回は「介護現場に入らない管理者はダメなのか?」について、考えてみたいと思います。
皆さんも耳にした事があるかも知れません。
- 「うちの管理者は、現場に全然入ってくれなくてダメだよ」
- 「前の職場は、もっと施設長が現場の最前線で動いてくれていたのになぁ」
これらのように、現場に積極的に入らない管理者・施設長に対して、ネガティブなイメージを持つ介護士の声を耳にする事があります。
それこそ「現場の実務に介入しない管理者は嫌われる」というケースが珍しくありません。
一方で管理者には、現場業務以外に管理者としての役割が多分にあり、何が正なのかは難しい問題。
今回はこうした「介護現場に入らない管理者はダメなのか?」について、私なりに考えてみたいと思います。
現場に入らない管理者が嫌われる理由
そもそも「現場に入らない管理者はなぜ嫌われてしまうのか?」について、考えてみたいと思います。
①介護現場が忙しすぎて、余裕がない
そもそも「管理者が現場に入らないと嫌われる理由」の根源は、現場の人手が足りず余裕がないというところにあります。
そもそも現場の介護士が、自分たちの納得いく体制で介護ができていれば、管理者の協力有無は二の次です。
元を正せば、現場に入らない管理者が嫌われるような介護現場では、決まって現場に「人的余裕」「心理的余裕」が無いというケースばかりです。
②「管理者が何をしているのか?」が見えづらい
また「現場に入らない管理者が嫌われる」2つめの要因としては、「管理者自身が何をしているのか」が現場から見えづらいという問題にあります。
■現場から管理者の動きが見えづらい理由
- 介護現場と事務所という物理的距離
- 見える姿は、事務所でPC/電話ばかりで具体的な内容は見えない
- 外にいる事も多く行動が見えづらい
これらのように、そもそも管理者と現場介護士では、職種が違い求められる役割も違います。
それに加え、オフィスワークのように常にお互いがお互いを見える状況下で仕事をしているわけではありません。
それだけに「事務所に籠もっている姿=楽をしている」と受け取る方もいるようです。
稀に事務所に籠もってネットサーフィンばかりしている管理者さんがいるのも事実ですが・・・
そうした「管理者の動きが現場には見えづらい」という事も「現場に入らない管理者が嫌われる理由」の大きな問題の一つかもしれません。
時には誤解を招く、管理者の行動
また中には管理者の行動が「何もしていない人」「暇な人」だと連想させてしまうような事もあります。
そしてそれが「だったら何で現場に入ってくれないんだ!」というような誤解や不満に繋がるようなケースも少なくありません。
①現場の見回りをしていると暇人扱い
例えば以下のTweetにもあるように、毎朝出勤後にフロアを周り声を掛ける管理者に対してネガテイブなイメージを持つような現場介護士も少なからずいます。
毎朝出勤後すると、まずはフロアを周り、職員や利用者さんに声をかけながら様子をチェックする管理者さん。
それに対して
「管理者は暇なのか?」
「そんな時間あれば、現場に入って欲しい」
という声があったりもする。でも毎日のこういうルーティンも管理者として大事な行動だと思う。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) February 19, 2020
管理者にとっては「現場や利用者さん、その他職場環境のコンディションチェック」としての必要なルーティンの1つであったりします。
ただ中には「介護業務以外は介護施設では必要ない」と言わんばかりに
- 「挨拶とかいいから現場を手伝って」
- 「毎朝毎朝暇なの?」
こうしたイメージや考えを持たれるケースも少なくありません。
②コミュニケーション量が不足している管理者
またコミュニケーション量が不足する事により、介護現場から誤解を受けるような管理者さんもいます。
例えば「人手が不足している介護現場に対して管理者は取るべき行動は、
- 短期的には「現場に入って手伝う事」
- 長期的には「人員採用」
これに他ありません。
例えばそのような場合でも「今どのような採用計画で動いているのか?」「採用進捗はどうなのか?」について、しっかり現場にも共有しておく事が重要で、そうしたコミュニケーションが取られる事で「だったら今を乗り切れるようにもう少し頑張ろう」と前向きな気持が生まれたり、「管理者も動いてくれているんだ」と安心感に繋がったりもします。
こうした管理者自身が行っている業務で現場に関わるようなものについては、しっかり状況について、コミュニケーションをとっておくことも大事です。
逆に言えば、せっかく現場の為に動いていても、コミュニケーション量が足りず、現場の理解が得られなければ、現場の不安を煽り、管理者や仕事に対してもストレスを溜める事になりかねません。
管理者は現場に入るべきなのか?
では最終的に「管理者は現場に入るべきなのか?」についてです。
私の結論としては、基本的に管理者は現場に入るべきではないと考えています。
管理者は自らが動くのでなく、環境を作りあげるべき存在
当たり前ですが、管理者の役割として、大事なことは自分が現場に入らずともしっかり機能する介護現場の体制をつくり挙げることです。
その為の業務の改善、人員体制(採用)をしっかり練ることが管理者には必要です。
そしてその環境を作り上げる為の、コミュニケーションや現場理解・フォローは必要です。
もしかするとイチ介護士として現場に関わる方が、現場から好感を持たれるような事もあるかもしれません。
しかしそれに応えて、管理者がイチ介護士として勤務しているうちは、現場の改善が進まないと言っても過言ではありません。
ピンチの時に手を差し伸べる柔軟性は当たり前に必要
一方で、当然ながら柔軟性は必要です。
明らかに現場がパンクしている状況にも関わらず、現場に手を差し伸べない等というのは、以ての外ですし、それでは「今」が崩壊してしまいます。
あくまでも基本スタンスとして「基本的には現場に入らないようにする」その上で「現場がピンチの時には全力で協力する」こうしたメリハリが当たり前に必要です。
逆に言えば、通常時に管理者が現場に入らずに回る体制がある事で、イザという時の急なトラブル対応時にプラスαとして、管理者が現場の助けに回る事ができます。
そうした意味では、普段から管理者が現場に介入するのではなく、常にプラスαの立ち位置で仕事をする事が、結局現場の為にもなるという事です。
管理者の「自分はいつも現場に入って汗水流している」は何の自慢にもならない
だからこそ、たまに管理者さんが誇らしげに発する「自分は毎日現場で汗水流している」発現は決して褒められたものではないという事です。
管理者の主の仕事は介護業務をする事ではなく、現場が介護業務しやすい環境を作る事です。
繰り返しますが、管理者がどっぷり現場に浸かっていては
- 管理者の手がイザという時の助け船になり得ない
- 本来行われるべき、管理者の仕事が滞る etc
こうした問題が浮き彫りになります。
そしてその負担は結局、現場の職員に跳ね返ってきます。
- 職員に欠員が出るとすぐに休日に駆り出される
- 突発対応がある度に現場が回らず、残業が当たり前になる
- 管理者として業務が滞り、マクロな視点で現場把握や事業把握ができなくなる etc
こうした事が、管理者が現場に付きっきりの介護現場ではよくあります。
だからこそ、管理者の方には現場に過度に関わるのではなく、あくまでもプラスαの人員として関わるという事をオススメしたいと思います。
現場に目を向ける事、時に協力し合う事は当然大事。でもそれと現場に付きっきりになる事とは全くの別モノだという事です。