こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
現在、介護業界で働いているみなさんは「どのような思い」や「どのようなきっかけ」で業界に飛び込んで来られましたか?
ちなみに先日このようなTweetをさせてもらいました。
介護業界で働く皆さんにアンケート
正直なところ、介護業界に飛び込んで来た時の気持ちを教えてください。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) April 14, 2019
ご覧いただくとわかるように、結果は実に様々。
まずひと目でわかるのが、皆が皆「絶対に介護士になりたい!」という「高い志」や「強い思い」で介護業界に飛び込んできたわけではないという事です。
ただしその現実をしっかり理解せずに「介護業界に飛び込んだきっかけやモチベーションを評価する介護施設」や「介護士はこうあるべきだと決めつける上司」も少なからず存在します。
「介護士になった動機」は大事ですか?
例えば、介護施設に面接に行くと「介護士になった動機」を聞かれる事がよくあります。
採用面接で介護士になったキッカケを聞いて不採用にする施設があるけど、
大したキッカケが無くても、良い介護士をしてる人なんてごまんといると思うけどな。— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) April 14, 2019
別に「動機を聞く」という事に問題があるとは思いませんし、実際のところそこから読み取れる背景もあると思います。
そうした背景から応募者の人となりを見極めたいという思いもあるかもしれません。
しかしながら一部の介護施設では
・何となく介護業界に来た介護士は不採用
・介護士たるもの高い志と理念が必要だ
こうした考えをもっている介護施設も存在します。
確かに「動機がしっかりしている介護士」の方が苦労の多い介護現場では我慢が効くかもしれません。
また「高い理想を持っている介護士」はその分良いアイデアを供給してくれるかも知れません。
しかしながら、「入り口での高い志を求める」という行為自体が、上のアンケートを見てもわかる通り、現実に即していないとも言えます。
介護業界に飛び込んできた時の気持ち
ここでもう一度先程のアンケートTweetを見てもらいたいと思います。
介護業界で働く皆さんにアンケート
正直なところ、介護業界に飛び込んで来た時の気持ちを教えてください。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) April 14, 2019
「何となく始めた介護士」が最も多い
上のアンケートを見てもらうとわかるように「何となく介護をしようかな?」というモチベーションで介護士を始めた人が最も多いことが見て取れます。
別に「何となく始めた」という人が多い事に問題があると言いたいのではありません。
実際見る角度を変えれば「始めやすい環境が整っている」のが介護業界の特徴だと言うことができます。
・求人数の多さ
・無資格でも働ける
・将来的に需要が高そう 等
例えばこのアンケートを「医者」に置き換えれば「必ず医者になりたい」という人の割合が多くなると想像できます。
資格取得までの「労力」と「必要なお金」等を考えれば当然のところです。
何より「介護士」も「医者」も同じ専門職ではありますが、世の中に必要な人数にも大きな違いがあります。
裏を返せば、介護士にチャレンジする為のハードルが高すぎては担い手が足りず問題になります。
※現在はハードルとは別の待遇に対しての問題もありますが…
ハードルが低過ぎると問題になる
その一方でハードルが低すぎると、それはそれで問題になりかねません。
アンケート結果を見ても「しかたなく始めた」という介護士さんが2割以上いる事も事実です。
別にしかたなく介護士を始めても、今現場では大活躍という介護士はごまんといます。
ただその一方で中には「しかたなく始めた」という動機の低さを業務の中に持ち込んでしまうような介護士が少なからずいます。
それがニュースになる「介護士の虐待」や「雑なケア」に繋がっている部分もあるかも知れません。
様々な背景が伴うだけに、入り口の動機だけで判断できる事は非常に限られます。
ただし、どう考えても「資質に問題がある」と思われるような人が介護業界に流れ込んできてしまう事を考えると低すぎる採用ハードルというのも考えものです。
大事なのは介護現場での実務
ここまで「介護業界に飛び込んだ動機」を軸に書いてきましたが、結論として結局大事なことは「動機」ではなく「実務(実態)」であるという事がこの記事で最も言いたい事です。
それを象徴するような例も少し挙げておきます。
①高いモチベーションでも理想ばかりで手が動かない介護士
高いモチベーションで介護業界に飛び込んできた介護士が必ずしも高いパフォーマンスを発揮するかと言ったら、そうとは言い切れません。
・入社時に素敵な信念を掲げる介護士
・やる気に満ち溢れて入社してきた介護士
・面接で介護士が天職だと言う介護士
こうした介護士が必ず現場でも重宝されているでしょうか?
確かにこうした思いや信念は素敵ですし、こうした思いが介護現場でのサービスにうまく繋げる事ができれば、それはもちろん有効な事です。
ただしその一方で、理念や思いだけは強くても行動が伴わないという介護士の例も少なくありません。
「高い志」を持っている介護士が「べき論」ばかりを振りかざし、業務中の手は中々動かないというのも珍しい事ではありません。
②何となく入社しても、淡々と確実に業務に従事する介護士
その一方で「何となく入社した介護士」や「妥協で入社した介護士」が必ずしも働きぶりに問題を抱えるかと言うと決してそんな事はありません。
むしろ余計な思いや感情を持ち込まず、職場の方針に従い、淡々とテキパキ業務を進めてくれる介護士も多く存在します。
「高い志があっても手が動かない介護士」と「高い志が無くても仕事として割り切り淡々と手を動かす介護士」
この二者であれば後者の方がパフォーマンスが良いに決まっていますし、現場でも重宝されます。
もちろん「手を動かしているかどうか」だけで良い介護士がどうかを判断するのは時期尚早ですが、実際の介護現場や同僚介護士への貢献度という意味で、高いパフォーマンスを発揮しているのは間違いありません。
まとめ
いかがでしょうか。ここまで書いた通り「介護業界に飛び込んできた動機」と「実際の働きぶり」は必ずしもリンクする訳ではありません。
もちろん採用する側が「どうせなら志の高い介護士を採用したい」という思いはわかります。
ただし「志」以上に大事なのは「働きぶり」です。
仕事として介護を行う以上それは当然の事です。
だからこそ入り口で過度な偏見を持つのでなく、実際の人と成りや働きぶりで評価するべきであるのは言うまでもありません。
まずは「介護現場に飛び込んでくる人達の入り口の動機がどのようなものなのか?」についてレベル感を理解しておかないと、採用する側の勝手な理想で大きな採用ギャップを生みかねません。
そして「入り口で高いモチベーションの介護士を採用する事」以上に、「入社後に高いモチベーションやパフォーマンスを発揮してもらうにはどうすれば良いのか?」について考えていく事が重要になります。