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【子連れ出勤に補助金】職場で育児ができますか?

最近、政府の「子育てと仕事の両立」を目的とした動きの一環で「子連れ出勤」を推進しようとする動きが活発化しているのをご存知でしょうか?

こちらは1月19日の朝日新聞より抜粋した記事です。

「子連れ出勤」政府後押しへ モデル事業の補助率アップ

宮腰光寛少子化担当相は15日、子どもと一緒に仕事をする「子連れ出勤」を政府として後押しする考えを表明した。自治体向けの地域少子化対策重点推進交付金の中で新たに重点課題と位置づけ、補助率を従来の2分の1から3分の2に引き上げる方針だ。

 子連れ出勤を採り入れている授乳服メーカー「モーハウス」(茨城県つくば市)を視察した後に記者団に語った。

 子連れ出勤など、子育てと仕事の両立を図る職場環境づくりを広めるため、自治体がモデル事業をする時の費用やその成果を普及啓発する事業などを対象に補助率を引き上げる。内閣府は2018年度2次補正予算案に同交付金として16億円を計上。そのうちの一部をあてる考えだ。

 宮腰氏は、乳児を抱えながら事務仕事に取り組む従業員の様子を視察。「人手不足のなかで、子供を産み育てやすい環境を作っていくことは企業としても重要。全国に広めていけたら」と話した。(松山尚幹)

2019年1月19日 朝日新聞デジタルより

 

この「子連れ出勤の推奨」は、少子化や保育園に子どもを預けられない家庭に配慮した施策となるわけですが、本当にこの仕事をしながら育児をするという「子連れ出勤」が可能なのについては、いささか疑問を抱いています。

そもそも親は子連れ出勤を望んでいるの?

大前提の話になってしまいますが、そもそも親は育児をしながら仕事をするという事を望んでいるのでしょうか?

これはあくまでも、私の家族や周囲の声ですが、子育てをしながら外に出て仕事をするメリットの一つに「仕事中は子育てと切り分けた時間が確保でき、メリハリが効く」という話をよく聞きます。

私自身下は1歳の子どもがいますが、それだけ日常の育児には心身にストレスを与える要素にもなるという事です

そのメリハリの為の場所に、子どもを連れていき、24時間育児をしながら仕事をするとなれば、労働者側の負担は大きく膨らむ事が予想されます。

そして何より「子連れ出勤」は、育児を若干軽視した施策になってしまっているのではないでしょうか

当然ですが、子どもの動きは予想できません、だからこそ全く予期しない事故が起きます。目が離せない、それが育児です。

その育児をさらに仕事をしながらという事になれば、並大抵ではない事が安に予想できます。

もちろん企業内託児所のように切り分けられた環境が用意されているのであれば話は別ですが、今回私が見たニュースでも、お母さんがコールセンターで子どもをアヤシながら電話をされていました…(苦笑

当然お母さんの顔に余裕はありませんでした。 

介護施設で稀に見る子連れ出勤

また介護施設では、こうした補助金の観点とは別ですが、子連れ出勤を認めている職場を拝見します。

特に育児環境を用意するわけでなく、ご利用者さんと一緒にお子さんの育児もしているような光景を見られたことはありませんか?

周囲の理解があり、ご本人が望まれた形なのであれば、私自身問題ないと思います。

しかしながら、介護施設ではまず利用者さんにしっかり目を配る必要あります。

その上で子どもの目配りまでとなれば、お子さんに注意が行くあまり、利用者さんのケアに目が行き届かない事は安に予想できます。

なんならそんな余裕のある介護施設自体があまりありませんが、、、

また介護施設では一般企業のオフィス以上に、感染症等のリスクも高まってきます。

そうした観点で言えば、介護現場での子連れ勤務には限界があり、何よりリスクが高いと予測され、個人的には推進を賛成し難いところです。

子連れ出勤は結局政府のやっつけ施策?

繰り返しになりますが、子連れ出勤に前向きな法人や個人が積極利用する点については、外部が何ら口出しする事ではないと思います。

ただし、ここに補助金制度を設け、政府としての後押しを始めてしまうとなるとやはり不安が大きくなります。

当然補助金目当てに、メリットとデメリットの比較検討ができないまま積極導入してしまう職場もあることでしょう。

介護保険という収益源が限られた介護施設でも、こうした補助金を積極的に取りにいこうという法人が出てきてしまいかねません。

また本来は子「育てと仕事の両立」という意味では、職場で育児をして新たなリスクを生むのではなく、周囲の保育環境を充実させる事で解決すべきだと思います。

そのための税金の投入がされるべきだと思います。

保育業界が抱える保育士不足を介護士不足同様に問題のすり替えで解決を図っているのではないかとさえ思ってしまいます。

このタイミングで宮腰光寛少子化担当相は、「子どもはできるだけ親と一緒に居たるべきだ」と断言されているそうですし。

改めて「子連れ出勤」は難しいと痛感させられます。

最後に

「子連れ出勤」について、記事を書いてみましたがいかがでしょうか?

ここまで書いた通り、個人的見解としては「子連れ出勤」には非常に無理があると考えています。

目の前で育児をしながらできる程、育児も仕事も甘くありません。

そして何より、①24時間育児のストレス、②子供の事故や感染症リスク、③のサービスレベル低下等の新たな問題を生み出す施策に成りかねません。

あくまでもこうしたリスクを生まずに、子連れ出勤が可能な職場本当に限られた極々一部なのではないでしょうか。

これからの動向に要注目ですが、補助金目当てで、結局当事者に何のメリットももたらさないような施策として浸透する事は危惧しなければなりませんね。

 

【おまけ】
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