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「介護大手サニーライフの元介護士が入居者殺害容疑」について考える

こんにちは「介護コンサルをしながら、現役介護士を両立」がモットーのごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。

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今回は、また介護業界に残念なニュースが飛び込んできてしまいました。

介護事業の大手法人である川島コーポレーションが運営する「サニーライフ北品川」にて、28歳の介護士が入居者殺人容疑で逮捕されるというものです。

「またか…」という声も聞こえてきてしまいそうなこの事件。

そしてこうした事件が起きると、よく以下のような対立した意見が飛び交います。

・「介護士のくせにそんな事するなんて考えられない」という批判的な意見

・「介護士も大変なんだから気持ちはわかる」という同調する意見

そんな度に私自身もいつも考えされます。

・「介護士なのに…」と言われてお、介護士も過ちは起こします。

・そして介護士でも利用者さんに「怒り」を覚える事があります。

・ただしその「怒りを覚える事」と「手を出す(殺害する)事」は全く別モノです」です。

今回は、このあたりをポイントに事件について、掘り下げて考えてみたいと思います。

事件の概要

まず、事件の概要について振り返ります。

老人ホーム 入居者殺害か、元介護士の28歳の男を逮捕

先月、東京・品川区の老人ホームで、入居者の82歳の男性を殺害したとして、介護士として勤務していた20代の男が逮捕されました。男性は亡くなる前日、「若い男にやられた」と言い残していました。

殺人の疑いで逮捕されたのは、老人ホーム「サニーライフ北品川」の元介護士・根本智紀容疑者(28)です。根本容疑者は先月3日から4日ごろ、品川区の老人ホームで入居者で82歳の黒澤喜八郎さんを殺害した疑いがもたれています。

「ムードメーカーで、何か困ったことがあればすぐ対応していた」(根本容疑者の元勤務先の職員)

警視庁によりますと、黒澤さんの死因は内臓が損傷したことによる出血性ショックで、肋骨が複数骨折するなど、激しい暴行を加えられて死亡したということです。施設によりますと、防犯カメラには当時、宿直勤務をしていた根本容疑者が、黒澤さんの足を引っ張って無理やり部屋の中に入れた後、何度も部屋に出入りする姿が写っていたということです。

黒澤さんの次女がJNNの取材に胸のうちを語りました。

「怒りしかないです。やりきれない気持ちでいっぱいです。にぎやかな優しいお父さんでした」(亡くなった黒澤さんの次女〔52〕)

事件の後、黒澤さんは集中治療室で手当てを受けていましたが、亡くなる前日、こう言い残していたといいます。

「口をむじゅむじゅ動かしていたから『何?』って言ったら、一生懸命何か言っていて、はっきり『若い男に蹴られて、やられたんだ』って。もう1回聞いたら『本当にそうなの?』って言ったら、『そうだ』と言って『男にやられたんだ』って、それがうちのお父さんの最後の言葉でした」(亡くなった黒澤さんの次女〔52〕)

取り調べに対し、根本容疑者は「暴行を加えたということはありません」と容疑を否認していて、警視庁は動機について調べを進めています。

(出典)TBS NEWS

この記事の内容に全く誤りが無いとしたら、あまりにも残念な最期ですし、利用者さん本人はもちろん、ご家族もさぞかし悔しい思いをされていると思います。
まさかの結末と言わざるを得ません。

事件のあった介護施設はどんな施設?

今回事件のあった施設は、冒頭でも書いた通り、川島コーポレーションの運営する「サニーライフ北品川」という施設です。
川島コーポレーションと言えば、全国に50施設以上の施設運営を行う介護の大手法人で、テレビCM等でもお馴染みの「入居金ゼロ」の有料老人ホームです。

■サニーライフ北品川の施設概要

所在地 〒140-0001 東京都品川区北品川3-8-6
類型 介護付有料老人ホーム(一般型)
入居時の要件 入居時自立・要支援・要介護(概ね60歳以上) 開設年月 平成30年11月
居住権利形態 利用権方式 利用料の支払い方法 月払い方式
介護職員体制
入居者数(要支援者/0.3人換算、要介護者/1人換算)3人:直接処遇職員1人以上(週40時間換算)※夜間(19時半~翌7時半)最少時の直接処遇職員は介護職員1人以上
総室数・総定員数 66室(全室個室)、定員66名
構造規模 鉄骨造地上3階建 (竣工:平成30年9月)
事業主体管理運営 株式会社川島コーポレーション 所在地 千葉県君津市東猪原248-2

ご覧いただくとわかる通り、定員66名の3階建てという一般的な作りをした介護付き有料老人ホームだという事がわかります。

ただ、サニーライフさんも介護士確保にも大きく苦戦されている話を聞きます。
これはあくまでも一つの仮設ですが、「人員不足による介護士の過度なストレス」や「人員不足による不適格者の採用」等も少なからず今回の事件とも繋がりがあるのかもしれません。
※あくまでも個人の主観である事をご承知おきください。

どんな理由があれ、手を出してしまうのは当然NG

そんな介護付き有料老人ホームで、今回の事件は発生してしまったわけですが、この残念なニュースに対しては、冒頭にも書いた通り、様々な反応があります。

・「介護士のくせにそんな事するなんて考えられない」という批判的な意見

・「介護士も大変なんだから気持ちはわかる」という同調する意見

正直なところ、私自身も利用者さんとの関わりを通じて暴力や暴言を受けたり、理不尽な立ち振舞に振り回されて「突発的な怒りやイラ立ち」を感じた経験はあります。
ただ介護士だからと言っても人間です。
だからこそ、こうした嫌な思いに対して「怒りやイラ立ち」を感じる事はどうしようもない事だと私は考えています。

でも大事なポイントはここです。
だからと言って手は出しません。当たり前の事です。

理由は簡単です。こうした苛立つ気持ちを鎮める事も含めて介護士の仕事だからです。
逆に言えば、こうした感情を自ら鎮める事ができないのであれば、それは介護士としての資質がないという事ですし、介護士をするべきではありません。

それこそ記事内には以下のようなコメントがあります。
「ムードメーカーで、何か困ったことがあればすぐ対応していた」(根本容疑者の元勤務先の職員)

このように今回の容疑者も一見介護士としてしっかり対応できていると認知をされていたのかも知れません。
しかしながら仮に今回の事件の背景に納得できない出来事があったとしても、「暴力を振るう」、更には殺害してしまうという結末にしか繋げられないのであれば、介護士として失格という事でしょう。

ここに関しては弁明の余地はないと言って良いのではないでしょうか。

気持ちが分かったとしても暴力に同調する声には疑問

繰り返しますが、利用者さんの暴力から身を守る為でも無ければ、どんな理由があれ、「介護士から利用者さんへの暴力は許されるべきではない」と私は考えています。

でもこうした事を書くと

・それは本当に過酷な介護現場を見ていないからだ

・そうしたきれい事が利用者の理不尽な立ち振る舞い助長する

こうした声が一部で聞こえてきたりします。

でも、勘違いしてはいけません。
イラ立ちや怒りの気持ちが芽生える事と実際に暴力を振るう事は全くの別モノです。

確かに介護現場は大変です。
介護士として利用者さんに物申したい事、上司に物申したい事もあると思います。
そしてイラ立つこと、怒りを覚える事もあると思います。

でも、だからと言って暴力は振るう、ましては殺害する等という事はあってはいけません。
それが介護士という仕事を選んだ介護士側の責任と言えるのではないでしょうか。

最後に

今回の事件について、皆さんはそのようにお考えでしょうか?

私としては、やはり許す事のできない事件だと思います。
そこにどのような背景があったとしてもです。

ただ勘違いしてはいけないのが、こうしたスイッチはいつどこで入ってしまうかわからないという事です。
記事内でも書いた通り、確かに介護現場で理不尽な対応を受けてたり、納得できない場面に遭遇したり、とついつい怒りの感情を持ってしまう事があります。

そこでしっかりと線引できるだけの資質、我慢ができるかできないかというのが、介護士としての資質のスタートラインだと言えるのではないでしょうか。

少なくとも介護士の暴力、殺人に対して、同調を求める介護業界しか成り立たないのであれば、世間に理解の得られる介護業界は一生来ないのではないかと思います。

また、最後にですが、
本事件はまだ有罪が確定しているわけではなく、この介護士もあくまでも「容疑者」です。
実際のところ防犯カメラでは「足を持って引きずる姿が確認されている」等という話ですので、極めてアウトに近いものだとは思いますが。。。
最後にその点だけ付けてして、本記事を〆させてもらいたいと思います。

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