こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
数年前まで「サービス残業なんて当たり前」と言われていた介護業界。
そんな介護業界でも少しずつ体質改善が進み、こうしたサービス残業は減少傾向にあります。
ただそれでも介護現場の水面下で蔓延るのが、このサービス残業問題。
サービス残業を強制する介護施設はもちろん論外。
中には「介護士が自ら進んで行うサービス残業」は問題ないだろうという声も聞きますが、私自身はそうは思いません。
実際「本人が良かろうと」「たった1人のサービス残業だろうが」サービス残業がきっかけで破滅に追い込まれた介護施設を私はたくさん見てきました。
サービス残業の概念
まずサービス残業の「ある」「なし」の以前に介護現場では「労働時間」というものに対しての概念が曖昧になっているケースを多く見受けます。
【労働時間の定義】
労働者が使用者の指揮命令の下に置かれている時間
これを踏まえると「使用者の指揮命令の下に置かれている時間にも関わらず、賃金が払われない時間」をサービス残業と定義できます。
しかし実際のところ、介護現場ではこの辺りを曖昧にした勤怠管理を行っている例が少なくありません。
サービス早出(勤務前出勤)の浸透
例えば介護現場でよく見受けられるのが、この「サービス早出」と言われるものです。
・勤務開始前に始まる朝礼
・勤務開始前に始まる引き継ぎ 等
これらは「勤務開始時間前に出勤する事を指揮命令されています」ので本来は労働時間として賃金が払われるべき時間です。
それにも関わらず、給与を支払わずに「勤務開始30分前に出勤させる」というものが普通に存在します。
たまに「労働の為の準備だから仕方ない」という声も聞きますが、それが無ければ労働が成り立たないというのであれば、それはもはや労働です。
勤務扱いにならない会議や研修
また「会議」や「研修」等についても、同様の事が言えます。
・休日に職場から指示されて行く研修
・勤務終了後に行われる会議 等
こうしたものに対して賃金が支払われない例も多くあります。
中には「なぜか会議の場合1時間は残業がつくが、それ以上はつかない」等という謎のロジックが存在する介護現場まであります。
今一度確認が必要
これらのように、それぞれの介護現場で「当たり前」として浸透しているものでもサービス残業となっているものが、少なくはありません。
状況をフラットに見て、おかしなものが無いかを考える必要があります。
少なくとも同じ環境にいて当たり前の事であっても、外からみればおかしな事というのは珍しくありません。
「介護士本人が望むサービス残業」はOK
そして中には「本人が望んでするサービス残業は問題ない」という声も聞きます。
管理者目線で言えば、そう言いたくなる気持ちもわからなくはないですが、そうはいきません。
実際「本人が望むサービス残業」を許容した結果、残念な末路を辿る介護施設も少なくありません。
本人が「望んでいる」「望んでいない」は関係無い
まず大前提の話です。
もし労働局の監査が入った場合「これは本人が望んで行っているサービス残業なので」という言い訳通じるでしょうか?
当然ながら通じるハズもありません。
あくまでも「労働」は「労働」です。
「気持ち」ではなく「実態」でしか物事の判断はされません。
その事を雇用する側も大前提に認識しておく必要があります。
サービス残業のストレスは、退職時に爆発
また積み重ねたサービス残業のストレスは、退職時に爆発する事が多くあります。
良好な関係構築ができている時期は「私それくらい手伝いますから!」と進んでサービス残業をする介護士が、不満が生まれ退職するとなった場合に「私はサービス残業をさせられていた!」と声を上げるケースも少なくありません。
上でも書いた通り、自らサービス残業をする介護士は「気持ち」で協力してくれています。
退職時等のネガティブな関係性によって「気持ち」が切れてしまった場合に、一気にトラブルと化す事も少なくありません。
サービス残業による巻き込み事故
そして何よりも介護士自らが進んで行うサービス残業であっても、そのサービス残業が周囲の介護士に与える弊害が本当に大きいという事を忘れてはいけません。
サービス残業を誇る介護士
サービス残業が横行する職場で一番起きてしまいがちなのが「サービス残業を誇る介護士」による弊害です。
あくまでも傾向に過ぎませんが、自らサービス残業を買って出る介護士は、自らのサービス残業という行動に誇りを持っているケースが少なくありません。
・自分はこれだけ周囲より頑張っているんだ!
・利用者さんに一番向き合っているのは自分だ!
・自分こそ評価れるべきだ!
更には、こうしたサービス残業を評価する上司がいる介護現場では、よりサービス残業をする介護士に間違った誇りを与えてしまいます。
これらによってサービス残業をする自分を正当化し、最悪の場合サービス残業をしない同僚や部下を批難するようなケースまで出てきてしまうので、本当に注意が必要です。
サービス残業を見て離れる介護士
これらの結果「周囲の雰囲気に呑まれてサービス残業をする介護士」や「定時で働いているだけで気分を害する介護士」が増加します。
そのような介護士が増えるとどうなるのか?
答えは簡単です。
そうした状況に対し見切りつけ「労働をする場所」として介護現場を選んだまともな介護士がドンドン離れてしまいます。
誤解してはいけないのが、
・自身がサービス残業をしていない介護士であっても周囲の介護士にサービス残業をされると働きづらくなる
・サービス残業を進んでやっているように見える介護士も、周囲に合わせて嫌々やっているだけ
こうしたケースが非常に多いという事です。
介護士のサービス残業についてのまとめ
ここまでサービス残業について書いてきましたがいかがでしょうか?
今現在「サービス残業をしてでも良いサービスを提供したい」と考えている介護士さんからは、反感の出る内容だったかも知れません。
ただし、間違ってはいけないのは「介護現場は労働をする為の場所」です。
1人のサービス残業は周囲の介護士に迷惑を掛けます。
周囲の介護士に迷惑が被れば、結局それは利用者さんに跳ね返ってきます。
それだけ独りよがりのサービス残業は、周囲に害を及ぼす要素に成り得るという事を認識する必要がります。
本来求められることは「サービス残業をして物事を解決する」という姿勢ではなく「限られた時間内で工夫して物事を解決する」というスタンスです。
もし時間が足りず解決できないのであれば、それは「サービス過多」であるか「人を採用スべき」かのどちらかです。
こうした「労働」というものに対しての当たり前の概念が浸透せずして、働きやすい介護業界が出来上がるはずもありません。
最後に
これだけ根深い「サービス残業問題」だからこそ、もしサービス残業が蔓延している職場にいるのであれば、身の振り方もしっかり考える必要があります。
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