こんにちは「介護コンサルをしながら、現役介護士を両立」がモットーのごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
介護現場で働いていると、よく上司が介護士に向かって「利用者さんの為に」等と言いながら「業務の無茶振りをしているな…」と感じる場面が少なくありません。
「利用者さんの為だから」
「みんなもやってるんだから」
こうした言葉を付けながら介護士に業務を振り、部下を追い込む上司。
そしてそれが「利用者さん為」でも何でもなく、「上司自身の為」であるケースも多々存在します。
今回は、そんな上司の「利用者さんの為」が「上司自身の為」にすり変わっている例について、考えていきたいと思います。
上司が「自分の為」を「利用者さんの為」だと言う例
先日、ある介護施設でこのようなやり取りをみました。
てんかんの発症歴があり、
「免許はありますが、不安なので車の運転はできません」と言う介護士。でも送迎できる職員が不足してくると
「発症はだいぶ前でしょ、利用者さんの為にそれくらいやってよ」と強引に送迎させる施設を見た事ある。完全に利用者さん為を履き違えたクソみたいな例。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) May 9, 2019
ちなみにこの介護士さんは、あまりの圧力に1度だけ泣く泣く送迎をされたそうです。
そして数ヶ月後に退職されました…。
正しい選択だと思います。
介護現場の送迎の実情
確かに利用者さんの送迎業務の担い手問題に頭を抱えている介護施設は少なくありません。
・「介護士」兼「ドライバー」業務の難しさ
・「時間」との戦い
・「命を運ぶ」という運転のプレッシャー
こうした人手不足の中で、できるものなら「誰かに送迎に行ってもらいたい」と願う気持ちはわかります。
言うまでもなく安全第一
このように様々なリスクやプレッシャーが付きまとう送迎業務ですが、「利用者さんの為」を考えた時に最も必要なのは「安全」であるのは言うまでもありません。
それをこのように不安を抱える介護士に無理やり押し付ける姿勢には疑問を感じざるを得ません。
これは完全に「利用者さんの為」ではなく、その瞬間の人で不足を凌ぎたいという「上司の為」です。…
もし事故が起きた場合、最も困るのは恐らく利用者さん自身、そして責任追及されるであろう介護士自身です。
こうした「危機意識の低さ」や「職員の事を考えない対応」については、甚だ疑問です。
たまに「私が職員を守りまるので」と言い張る上司がいますが、「守る」のであれば「リスク」を背負わせないという発想が必要です。
「みんながやってるから」も結局上司の都合
また介護現場に限らず「みんなもやっているんだから」という言葉で全てを片付けようとする上司がたまにいます。
「子どもがいて残業できない」と約束して入社した介護士に向かって
「みんなもやってるんだから、残業くらいしてよ」
「困るのは利用者さんんなんだから」
と言い放つ上司
こうした
「みんなもやっている」
「利用者さんが困る」
というようなものも、結局上司自身が自分の都合で発している言動です。
「みんなが」「利用者さんが」という言葉さえつければ、平気で約束した事を反故にするような上司があまりにも多いことには頭を抱えます。
「職員の為」という概念が完全に抜け落ちている
こうした一部の例を見ていていつも感じる事。
それは「職員の為」という概念が完全に抜け落ちているという事です。
本来上司は、利用者さんに対して良いサービスをする事だけではありません。
「部下が安全・安心できる労働環境」
「部下がプライベートとの両立ができる環境」
こうしたもの「職員の為」を作っていくのも上司の大事な役回りです。
そうした本来の自分の業務を放棄して「利用者の為」「他の職員の為」と枕言葉をつけて、無茶振りをする上司がいます。
最後に言ってやりましょう。
そんなあたなは「残念ながら器じゃない」と。