労働条件

コロナ禍で介護現場の冬季賞与がどうなるのかを大予想

こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。

私は、新卒から「介護現場&管理職」→「転職コンサル」→「介護経営コンサル」と10年以上にわたり介護業界に携わってきました。
当ブログでは、そんな私自身の経験や考えに基づいて、介護業界に精通する皆さんに少しでも有益な情報を発信したいと考えています。

それでは早速、本題へ。

毎年年末に向けたこの時期は賞与に胸を踊らせる介護職の皆さんも多いのではないでしょうか??ちなみに私は年俸制の為、賞与はありません_| ̄|○ il||li

そんな今回のテーマは「コロナ禍における介護現場の賞与を大予想」と題して、猛威を振るうコロナウイルスが介護現場の賞与に与える影響について考えてみたいと思います。

平たく言えば「今年の賞与はもしかすると例年と比べ期待値を下げておいた方が良いかも知れません」というものです。

以下に解説をまとめますので、ぜひご覧ください。

 

コロナ禍で業績打撃を受ける介護現場

先日Yahoo!ニュースにて、コロナ禍での介護事業所について、以下の話題が取り上げられていました。

タイトルは「コロナで3割近くが赤字…病院のウラで介護施設でも悲鳴が聞こえはじめた…!(現代ビジネス)」というもの。

内容を要約すると以下です。

  • 病院を中心とした医療業界の業績悪化(赤字)が取りざたされるも実は介護業界でも業績悪化の悩みを抱えている事業所が増えている
  • 例えば特別養護老人ホームの5月~7月の業績は、30%弱の事業所で赤字(福祉医療機構より)
  • 通所系サービス等は、入居系サービス以上に事業を制限され業績が厳しい事が予測される
  • さらに21年の介護報酬改定に対して、厚労省がコロナ禍を加味した報酬引き上げを要請する一方、財務省は「既に大きな影響は出ていない」として、引き上げには慎重な姿勢となっている

コロナ禍での医療福祉分野の状況と言えば、医療機関が中心に取り上げられますが、このように介護事業所にも明らかに影響がでている事がわかります。

さらに言えば介護業報酬の大きな壁「財務省」が介護現場の逼迫状況について、大きく問題視していないというのも非常に心配な状況です。

 

介護職が受け止められる賞与カットラインは?

上記にように、コロナ禍で業績については強い向かい風の中迎える今回の賞与支給タイミング。

もちろん「賞与は業績や個人の評価に応じて、ゼロにも無れば、2倍にもなる」という事は多くの方が理解されています。

ただその一方で、景気に左右されづらく、個人評価での大差がつきづらい介護業界においては、どこかで「賞与は安定的に支給されるもの」だという認識が定着しがちです。

ちなみに元同僚からの相談もあり、Twitter上で実施させていただいたアンケートが以下です。

Q.自身の職場がコロナ禍で業績悪化。
そんな時「賞与の減額についてどこまでなら許容できますか??」

  • 第1位:賞与3割減までなら受け入れる(40.5%)
  • 第2位:賞与が減額されたら即退職(31.8%)
  • 第3位:賞与5割減までなら受け入れる(20.8%)
  • 第4位:ゼロ支給でも受け入れる(6.9%)

(有効回答:173名)

 

アンケート結果が示す通り、いくら賞与が業績に連動するものだとしてもせいぜい許容できるのは3割カットくらいまでだということです。

また減額があった時点で退職を考える方が3割以上おり、この辺りにには与というものへの期待値や日頃の仕事のストレス?等も現れているのかも知れません。

 

コロナ禍で賞与減額が懸念される介護事業所は??

では実際のところ影響が懸念される介護事業所はどういったところなのかは、私なりに考えてみたいと思います。

法人格では病院母体等の医療法人格はやはり心配?

まず法人格で考えた際に賞与カットの懸念が最も大きいのは医療法人格になるのかも知れません。

前段でコロナ禍における特別養護老人ホームの赤字比率が30%に及ぶ点に振れましたが、病院は実に60%以上が赤字だとも言われています。

実際、以下の日本病院会のデータを読み取っても、夏の賞与について、27%もの医療機関で賞与カットが行われた事が判明しています。

今現在も増えるコロナ患者により、通常経営に大きな弊害を被っている医療機関の状況を考えると、医療法人格の介護事業所はやはり心配な施設形態となります。

 

施設形態では、影響のでやすいデイサービスが心配?

施設形態別での影響を考えるとやはり「デイサービス」が最も懸念されるのではないでしょうか。

仕事柄介護事業所の管理者の方ともコミュニケーションを取ることが多いですが、やはりコロナ禍での影響を分かりやすく受けているのは、デイサービスです。
※ちなみに上記でのアンケートのきっかけとなった施設形態もデイサービスです。

最近ではwithコロナとして、サービスの提供形態や環境に配慮しながら、事業運営をしている事業所が多くありますが、やはり通常営業とはいかない声を多く耳にします。

デイサービス自体がもともと収益性が高い事業形態とは言いづらく、やはりこのあたり賞与への影響も一定懸念する必要があるかもしれません。

 

最終的にどの程度の介護事業所賞与が影響を受けるのか?

ここまで書いてきた通り、コロナ禍において介護事業所の運営に大きな影響が出てきてしまっているのは間違いありません。

ただし一方でその影響度合いは、地域や施設形態、法人格等の様々な要素次第であり、事賞与という事になれば、最終的にはその事業所のスタンスそのものに委ねられるます。

その前提の中で考えても、やはり介護事業所の賞与への影響は避けられないと考えており、少なく見積もっても3割程度の介護事業所において、賞与カット(減額)が行われるのではないかと思います。
※あくまでも個人的見解に過ぎませんが…

この記事を通じて伝えたいことは、ただ賞与に対して不安を煽りたいわけではなく、コロナ禍で賞与カット等を検討をせざる事業所が少なくとも一定存在せざるを得ないという事です。

それをどう受け止め、どう解釈するのかは個人の判断や価値観によるものではありますが、「賞与がカットされた」=「最低な介護事業所」といったようなダイレクトなものではないという事だけ伝われば幸いです。

少しでも早く、今のコロナ禍が落ち着き通常の経営状況において、通常の対価が得られる状況が戻って欲しいと願うと同時に各介護現場においても工夫が求められるのだと思います。

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