最近、世間でも取り上げられることが多くなった「介護現場における利用者さんからの暴力・暴言・ハラスメント」
取り上げられるようになったのは最近ですが、介護職をしていれば、以前より多くの方が経験されていたのではないでしょうか?
また最近ではこうした、この暴言・暴力をきっかけに介護業界を後にする介護職も増加傾向にあり、業界としても大きな問題となりつつあります。
そんな利用者からの暴言・暴力・ハラスメントについて、ちょっと真面目に考えてみます。
暴言・暴力・ハラスメントの原因は?
そもそも暴言・暴力を振るう多くの利用者さんは元から暴力気質なわけではありません。体力低下や認知症の症状悪化等、様々な衰えや環境変化の過程でこうした兆候が見られるようになると言われています。
よく言われる原因例としては、以下のものが上げられます。
①ストレス系
■自宅で無い住環境の変化によるストレス
■身体が不自由に成り、できていた事ができなくなるストレス 等
②不安・混乱系
■自分の状態が理解できず不安を覚え混乱
■自分の記憶が曖昧になり未来の事が見えづらくなる不安 等
こうした状況というのは、介護職がどれだけ配慮できていたとしても、何かを引き金に突発的に起こってしまうものです。
もちろん対応や準備により、発生頻度を下げる事は可能だと思いますが、介護職も魔法使いではないですからね・・・個人的には一定避けて通れないものだと割り切っています。
対応策について
繰り返しますが、「利用者さんの暴言・暴力・セクハラをゼロにする」という考え方は、現段階では無謀だと思っています。
各現場でも「利用者さんの自尊心を傷つけないような声掛け」「介助前のコミュニケーションや説明による安心感」等々、ストレスや不安低減の工夫を取り組まれているかと思います。それ自体は非常に大事な事だと思いますし、一定の発生率低下にも繋がるかと思います。
そして、もう一つ大事な事がそうした場面に遭遇した時の対応方法です。
まず暴力・セクハラを受けたら、まずは自己を守るという事を最優先に考えて下さい。危ないと思ったら物理的・心理的な距離をしっかり取ってください。そんな状況での、介護なんで二の次です。
利用者さんが混乱すると、ついつい問題解決しようと前のめり関わってしまう方がいますが、それでは興奮やストレスを助長してしまいかねず、逆効果になることもあります。そして何よりも自分が傷つきかねません。
暴力やセクハラを受けて笑顔で「やめて下さいよー」なんて言う必要はないのです。ダメなものはダメ、嫌なものは嫌でOKです。
「サービス業としてどうなのか?」なんて事を言う人もいるかもしれませんが、その前に職員と利用者間も人と人の関係です。
たまに何もわかっていない上司が「何でその状況を止められなかったんだ?」と騒ぎたてますが、そんなお門違いな指摘は不要です。
そんな職場何なら退職すべきです(苦笑
何度も言いますが、暴力を完全に防ぐことは現実的に難しく、その場にいた介護職自身が責め立てられたり、自分を責める必要はありません。
対応者によって利用者さんの混乱の大小が違ってくるのは事実ですし、そのために準備し、学ぶことも必要です。
でも出くわした時はまずしっかり自分を守ってください。介護職の研修では護身術を習っているわけではないですからね(苦笑
最後に
本当に何度も言いますが、利用者の暴言・暴力を根絶しようなんてことは不可能だと思うべきです。
ダメだと思った時は、逃げる。
周囲もそのように指示する。
これにつきます。
もちろんコニュニケーションで利用者の感情を鎮めるようアプローチする事は大事ですし、防げるに越した事はありません。
でもそれは難しいというのが現実です。
その上で管理職の方はこうした暴言暴力に悩む大事な職員を守ってあげてください。
それは利用者さんからだけでなく、ご家族からも。
「施設に預けれているのに!」「介護職はプロじゃないのか!」とトラブル等があると利用者の家族から指摘が飛ぶかもしれません。
でも何度も言う通り、完全に防ぐことは難しいんです。
防ぐために最大限できるアプローチはする。でも無理な時は無理だとまず施設としてご家族にも説明する必要がありますし、職員を守る義務もあります。
これを積み重ね利用者さんからの暴言・暴力について、理解が進み現場環境が改善されなければなりません。
利用者からの暴言・暴力から職員を守ることさえできない業界なのであれば、介護業界に未来はないですよね。
(おまけ)
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