こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
私は、新卒で介護業界に飛び込み11年間介護現場や管理職を経験してきました。
その後、転職コンサルに5年間従事し、現在は介護コンサルをする傍ら、介護現場で介護士としても現場のお手伝いをさせていただいています。
そんな元転職コンサルでもある私、ごろにぃがオススメしている転職サイト(エージェント)が、しろくま介護ナビです。
「ホワイトな介護現場の求人のみをピックアップする」をテーマに「しろくま」と命名され、新聞にも取り上げられる程の転職サイトです。
良ければ是非ご活用ください。
それでは早速本題です。
みなさんご存知の通り、多くの介護現場が頭を抱える「介護士不足」という問題。
そして介護士不足の結果、陥ってしまいがちなのが「残業の強制」「ピリピリした現場感」等の介護士が働きづらくなる雰囲気や環境。
だからこそ、そうならない為の介護士へのフォローは管理者にとって最重要ミッションの1つ。
でも中には、一見フォローや労いをしているように見せかけて、計算高く介護士を使い倒そうとするような管理者や法人があるのも事実です。
それが今回のテーマでもある「頼りになる介護士」と「使い勝手が良い介護士」は紙一重だというものです。
多くの介護士は、頼りにされて嫌な気はしない
先日Twitterで以下を投稿しました。
介護士が足りない中「でも〇〇さんがいてくれるから大丈夫だよね!」と管理者。
でもこれは必ずしも「頼りになる」って意味じゃない。
「こう言えば、都合よく無理をお願いできる人」として扱われてる事も…大変な時の協力体制は大事だけど、都合よく使われ潰されないようにはしないといけない。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) August 25, 2019
介護士不足で、明らかに現場が回っていないような場面での「あるある」。
- 頼りになる〇〇さんがいるから大丈夫だよね!
- 〇〇さんは責任感を持ってやってくれるから!
- 〇〇さんが居てくれて良かったよ!
これらのように現場がバタついてくると、ここぞとばかりに介護士に対して「頼りにしてます!」感を出してくる管理者が少なからず存在します。
一瞬「え…それは厳しいよ」とは思いつつも
- やるしかないだろ!と圧を掛けられるよりはマシ
- 頼りにしてもらえるんだったら…
- そう言ってもらえるなら、やらないとな!
これらのように、頼りにされる事を粋に感じて、そしてこうした言葉に支えられて仕事を頑張る事ができている介護士も少なくありません。
そうした意味では、介護士に限らず「頼りにされる事」を前向きに受け止める事ができる人は多いかと思います。
「○○さんは頼りになる」に隠れた圧力
これらのように「頼りにされる」という事は、介護士に限らず、人をポジティブにしてくれる言葉の1つです。
でもこの「〇〇さんは頼りになる」という言葉には、隠れたネガティブ効果もあります。
- 頼りになる〇〇さんがいるから大丈夫だよね!➡「だからやってね!」
- 〇〇さんは責任感を持ってやってくれるから!➡「やるまで帰らないでね!」
- 〇〇さんが居てくれて良かったよ!➡「断らないでね!」
うがったものの見方で恐縮ですが、このように「頼りにする事」「褒める事」で、同時に介護士に仕事を断らせないような雰囲気を作り上げる管理者や上司も一定います。
これが正に「〇〇さんは頼りになる」に隠れた圧力です。
この隠れた圧力を悪用する管理者が少なからず存在するのが、介護業界の難しいところです。
「労いの言葉」や「助け合い」がいらない訳ではない
上のような書き方をしてしまうと、「じゃ部下を労ってはいけないのか?」「助け合いは必要じゃないのか?」という声が聞こえてきそうですが、決してそんな事はありません。
事実、皆が皆この「頼りになる」という言葉を使って、介護士を追い込もうとしているわけではありません。
- 純粋に頼りにしてくれている
- 純粋に褒めてくれている
- 純粋に感謝してくれている
余計な計算や仕事の無茶振りを抜きに、純粋に部下である介護士を労ってくれているだけの場面も少なくありません。
それこそ、こうした労いの言葉ひとつ無ければ無いで、介護士自身としても上司に対して疑心暗鬼になってしまい兼ねません。
だからこそ、こうした労いや助け合いの中で、バランスを取りながら勤務していく事が大事である事は言うまでもありません。
頼りにされる事が自分を追い込む結果になる
ただし現実問題として「頼りされる」という事は、介護士にとって2つの効果をもたらす可能性があります。
- モチベーションを上げるというプラスの効果
- 仕事を断れなくするというマイナスの効果
そして「介護士不足の介護現場」=「介護士への依存度が高い介護現場」では②の「仕事を断れなくする」というマイナスの効果がより顕著に発生してしまいがちです。
「物理的に自分が頑張るしかない」という環境下で、頼りにされては「やらざるを得ない」という雰囲気になってしまいがちだという事です。
だからこそ「介護士自身は自分の身は自分で守る」という事をしっかり念頭におく必要があります。
「頼りにされているから」「上司が困っているから」だけでは、継続に限界があります。
しっかり自分の状況を鑑みて、どこまでなら協力できるのかをしっかりと訴えておく必要があります。
そうでなければ、困った管理者は悪気無しにどんどん業務を振りかけてきます。
そしてそれは管理者サイドにも言える事ではあります。
大事なことは「労いの言葉をかける事」ではなく、足元の状態を正しく理解して、少しでも介護士の負担を軽減できるように調整をする事です。
結局、介護士側にとっても管理者側にとっても一番最悪のシナリオは「介護士が潰れてしまう」ということです。
「介護士が潰れる」と言うと「あからさまに介護施設側がプレッシャーを掛けて追い込む」というようなイメージを想像されるかも知れません。
しかしながら実際のところは、この記事で例を上げるような「頼りにする」の延長で、「頼りにしすぎる」という事が原因となるケースも少なくありあません。
だからこそ、介護士側は「頼りにされる事」と「都合良く使われる事」は紙一重だと理解する必要があります。
そして上司や管理者は「頼りにする事」で「介護士を都合よく使っているだけではないか?」と自分に問いただすべきだと、私は考えます。
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