私も仕事柄、非常に多くの管理者さんにお会いする機会がありますが、世間では様々な介護施設の運営法人があり、様々な管理者、上司がいます。
それこそ「尊敬して止まない素晴らしい管理者さん」から、「ちょっとどうなんだろう…と疑問を抱かざるを得ない管理者さん」まで実に様々。
また一括りに管理者や上司と言っても、部下として上司に求めるものも、これまた様々だと思います。
何が正解と一言では表せない上司、部下の関係ですが、そんな中でも私が個人的に気になるのが「管理者・上司としての器(余裕)」についてです。
介護現場を見ていると、問題があると言われる管理者や上司の方ほど、常に自分に余裕がありません。
そして自分の余裕の無さからくる思いや言動を部下にブツケて、関係が崩壊していくという場面を見ることも少なくありません。
今回はこの「管理者・上司としての器(余裕)」について、記事を書いてみたいと思います。
自分が困った時こそ管理者の本音が伺える
例えば、あなたの職場では体調不良で欠勤の連絡をすると、管理者さんにどんな反応されますか?
A「えー、どうするのシフトは!」「責任持って代わりの人探せしてよ!」「明日は絶対来てよ!」等のプレッシャーを掛けられる。
B「ごめんなさい、最近頑張ってもらい過ぎたかな?辛いだろうからこっちは気にせず、ゆっくり休んでね」と受け入れてくれる。
これが正に「管理者としての器の違い」からくるものだと言えるのではないでしょうか。
実際、ほとんどの介護現場は人手に困っていますので、「体調不良で欠勤」しますという連絡を受けた場合には「まずいな、シフトどうしようか?」と不安が頭によぎります。
その為、Aのように「施設目線での一方的に物言い」になる気持ちも全くわからないわけではありません。
ただし、それをBのように受け止めて、部下の体調不良で辛い状況にまで配慮できる事が上司として必要な要素だと私は感じています。
もちろん体調管理をする事も大事なことですし、もし前日朝まで飲み回っていた等というならば話は別です。
それにも関わらず、余裕が無さすぎて部下の事が信用出来ないのか、もしくは大変さ故に一切の余裕が失ったのか、このような酷いケースではこうしたやりとりまで生まれてしまいます。
朝イチで介護職員から闘病中の母親が亡くなったと休みの連絡。
連絡を受けた施設長の第一声
「えー、シフト厳しいのに!いつ出で来れるの?」これじゃさすがに…と思い施設長に苦言を呈すと
「亡くなったなんて本当がわからないでしょ!」と。なぜこの人が施設長なのか?
介護の不思議。— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) August 27, 2018
もちろん、部下が嘘をつくこともあるかもしれません。
実際、嘘や間違った事、おかしな事にしっかりと苦言を呈する事も上司としての大事な仕事です。
ただし、こうした大変な状況に対して、相手の状況に配慮しようともせず、全く配慮のないやり取りをする管理者を見ると、さすがに器の無さに幻滅をしてしまいます。
「管理者としての器」を備えた上司
もちろん、部下に配慮する余裕のない管理者ばかりではありません。
以前、器の大きな配慮ある行動をされている管理者さんのエピソードについてもTweetさせていただきました。
昨日訪問の施設。
職員のお子さんの保育園から体調不良でお迎えの要請。職員「キリの良い所までやって帰らせてもらいます」
施設長「いえ、すぐに行ってあげなさい」
職員「でも…」
施設長「自分の子供よりも仕事を優先してもらっても嬉しくない」
筋の通った素敵な施設長だと思う。
— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) June 5, 2018
このTweetにも非常に多くの「素晴らしい」という反響をいただきました。
こうした反響からも介護現場で働く職員が、上司のこうした配慮や器に対して、粋に感じ、感謝の気持ちを持っている事が伺い知れます。
介護現場の職員は、普段から自分にストレスを掛け、我慢と共存している人が多いだけに、こうした配慮により敏感なのかも知れません。
少なくとも私自身は介護士として勤務する中でも、上司の配慮に救われた事が何度もありました。
だからこそ管理者や上司がこうした配慮ができるだけで、職員の上司に対しての視線はもちろん、仕事に対してのスタンスも大きく変わってくる事が予想できます。
「管理者としての器」がもたらす好循環と悪循環
ここまでの通り、人として器の大きな管理者と器の小さな管理者では同じような出来事が起きた場合に、受け取り方や立ち振舞、言動が全く異なります。
器の大きな管理者は部下に配慮の伴った対応ができる一方、器の小さな管理者は、部下に自分の負担や不満を押し付けます。
結果的に余裕のある上司に対しては、従業員が受けた配慮を仕事で恩返ししようど努力してくれます。まさに好循環。
その一方で、余裕の無い対応を受けた従業員は、恩返しどころかますます管理者から離れていってしまいます。まさに悪循環。
これが正に「管理者としての器」がもたらす好循環と悪循環だと言えます。
最後に
管理者(人)としての器が部下に与える影響について、書いてみましたがいかがでしょうか。
多くの介護現場は本当に実際のところ余裕がなく、疲弊しながらの勤務が強いられる状態である事は重々承知しています。
そしてその負担やストレスの中で、介護士は何とか自分を奮い立たせて日々の業務に従事しています。
だからこそ、そのトップである管理者や上司の方には少し無理をしてでも余裕をもった立ち振舞や配慮を心がけてもらいたいと切に願います。
そしてそれが結果として跳ね返ってくることで職場環境が改善した場合に、一番の恩恵を受けるのも管理者であり上司です。
ただしあくまでも大事なことは「遠慮」でなく「配慮」です。
たまに「配慮」と「遠慮」を取り違え、上司が過度な「遠慮」を始めた結果、無秩序な職場環境に変わってしまうという事もあります。
この点は注意ですね。
人と人がガッツリと関わり、助け合いが必要な介護現場だからこそ「配慮」がし合える職場環境が作られる事は本当に大事です。
そしてその根底にあるのが、管理者であり上司の器(余裕)ではないでしょうか。
【おまけ】
最後までお読みいただきありがとうございます。
当ブログは「にほんブログ村」のブログランキングに参加しています。
よろしければランキングに加算されますのでワンクリックいただけると幸いです。
ぜひ、ご協力お願いします。
↓ ↓ ↓ ↓
にほんブログ村