こんにちは、ごろにぃ(@goronyi_kaigo)です。
私は、新卒で介護業界に飛び込み11年間介護現場や管理職を経験してきました。
その後、転職コンサルに5年間従事し、現在は介護コンサルをする傍ら、介護現場で介護士としても現場のお手伝いをさせていただいています。
そんな元転職コンサルでもある私、ごろにぃがオススメしている転職サイト(エージェント)が、しろくま介護ナビです。
「ホワイトな介護現場の求人のみをピックアップする」をテーマに「しろくま」と命名され、新聞にも取り上げられる程の転職サイトです。
良ければ是非ご活用ください。
それでは早速本題です。
介護現場で働いていると、ついつい「イライラする」という事がありませんか?
- 利用者さんからの暴言や暴力
- 利用者さんやご家族からの理不尽なクレーム
- 同僚や上司とのいざこざ etc
介護に限った話ではありませんが、こうした対人ストレスはつきものです。
対人関係において、相手は必ずしも自分の思い通りに動いてはくれませんし、自分の思い通りにならない事が、イライラの根源になるという事は少なくありません。
今回は、この介護職の「イライラ」について「アンガーマネジメント」を交えながら、記事にしていきたいと思います。
「介護職はイライラしない?」は都市伝説
たまにこんな事を言う上司はいませんか?
- 介護職なんだから、利用者さんの全てを受け入れないと
- イライラしてしまうのは、介護職として力不足だからだよ etc
介護現場ではこれらのように、部下がイライラしてしまう事に対して、異常に「否定的」であったり「能力不足」というレッテルで片付けられる事が少なくありません。
でもこの「介護職はイライラしない」というのは、都合よく職場や世間が作り上げた都市伝説のようです。
「介護職なのに利用者さんにイライラするのはおかしい、単なる能力不足だ」
と、上司や一部世間。確かに気持ちのコントロールは大事。
イライラが暴力等に転換されるのは論外。でもそんな感情が時に芽生えてしまうのが、介護現場のリアル。
そしてイライラも含めて、感情を持つのが人間。— ごろにぃ@介護コンサル (@goronyi_kaigo) September 2, 2019
実際、先日のこのTweetに関して多くの介護職の皆さんから共感の声をいただきました。
この反響を額面通り受け取れば「イライラしてしまう事がある」というのが、今の介護現場の大勢だと言えるのではないでしょうか?
ただし、Tweet内でも書いている通り「気持ちのコントロール」を心がける事自体は、非常に大事な事だと思いますし、イライラの感情を利用者さんや周囲に対して攻撃的に向ける事がお門違いな事は重々承知です。
「イライラ」で介護職不適合のレッテルを張られる人も…
また「介護職はイライラしない」という前提に立たされる中で、残念ながら潰されてしまう介護職の方も中にはいます。
(例)利用者さんに対してのイライラしてしまう感情を上司に相談
➡それは「経験が解決する」「能力の問題だ」と上司が指導
➡真面目な介護職は「自身の介護職としての適正」を不安視する
➡結果、自分は介護に不適合だと業界を去る
これらはあくまでも一例にも過ぎませんが、一言「イライラの感情」を受け入れるだけでこのような結果にならなかったのでは?という事も少なくありません。
「イライラ」は「アンガーマネジメン」で万事解決?
そんな中で最近よく取り上げられるの「アンガーマネジメン」と言われるものです。
読んで字の如くではありますが、「怒りを調整する」というものですね。
このアンガーマネジメントについても、簡単に紹介してみたいと思います。
「アンガーマネジメント」とは?
まずこのアンガーマネジメントとは、冒頭にも書いたように、自分自身や他人への「怒り等の感情」に振り回されずに、うまく心理コントロールをすることで、ストレス軽減を軽減し、快適な生活を目指そうというものです。
アンガーマネジメントの特徴は、「怒らないこと」を目指すのではなく「知識や技術により「怒り」をうまく扱う技術力の向上」を目指すというところです。
一説には、人は怒りを上手くコントロールすることで、「収入が増加する」「平均寿命が伸びる」等という話もあるくらい、怒りのコントロールは大事だと言われています。
最近では人と人が密接に関わり、ストレス度合いの高いと言われる「医療業界」や「介護業界」でも、こうしたアンガーマネジメントを取り入れる動きが多くなっています。
「アンガーマネジメント」の3つのポイント
一般的に言われるアンガーマネジメントのポイントは、以下の3つのコントロールです。
- 「衝動」のコントロール
- 「思考」のコントロール
- 「行動」のコントロール
①「衝動」のコントロール
人は何かに「怒り」を感じた場合、最初の6秒間に最も強くアドレナリンが発生し、自身をコントロールしづらくなると言われます。
この最初の6秒間の「衝動的な感情」をうまくコントロールしたり、原因分析する事で怒りを静めようというものです。
②「思考」のコントロール
人は物事を考える際に「〇〇であるべき」という自分なりの価値観をもっているケースが大半です。
それだけに知らず知らずのうちに、相手に対しても「こうあるべき」を当てはめてしまいがちです。
そうした思考や価値観の捉え方をコントロールする事で、「相手と自分は異なる人だ」という事を再認識させ、怒りを静めようとするものです。
③「行動」のコントロール
「行動」のコントロールというのは、自分の「怒り」や「感情」の全てを課題視するのではなく、自分の許容できる範囲を再確認する事で、どのようになれば怒りが静まるのか、自身の行動や心理を把握しようとするものです。
そして逆にコントロールしきれない部分については「そういうものだ」として受け入れる姿勢を持とうとするものです。
※ここで書いているアンガーマネジメントについては、素人の私が一般的に言われるようなものを切り出したに過ぎません。
残念ながら私もアンガーマネジメントの本を読んだり、話を聞いたりした事があるくらいで、スペシャリストでもなんでもありません…その点をご了承ください。
【参考書籍】
ちなみにアンガーマネジメントに興味のある方は、良ければ参考にしてみてください。
私も上司に進められて持っていますが、介護職目線で且つマンガ形式なので、非常に読みやすいですし、介護職であればスッと話が入ってくる部分が多いと思います。
マンガでわかる介護職のためのアンガーマネジメント: イライラ、ムカムカ、ブチッ! をスッキリ解消。怒りに振り回されないための30の技術
アンガーマネジメントで全てが解決する訳ではない
アンガーマネジメントについて少し触れましたが、勘違いしないでもらいたい点が1つあります。
上記でも書いた通り、アンガーマネジメントもあくまで「怒らないことを目指す」のではなく「知識や技術により「怒り」をうまく扱う技術的な面を指す」ということです。
裏を返せば、「介護職のイライラ」を完全に拭い去るものでもではありません。
結局は、我々介護職もあくまで人間です。
芽生えた感情をどのようにコントロールするかを身につける事は一定できるかもしれませんし、感情のコントロールは大事なことです。
ただし「イライラしないようになる」というのは、感情そのものの発生コントロールをする事はなかなかの超人ワザだという事です。
それを「イライラするのは介護職としての力量不足だ」等と片付ける上司は、どれだけ無能かというのも物語っているのかもしれません。
繰り返しますが、「大事な事」や「できる事」はイライラした気持ちをできるだけうまくコントロールするという事であって、感情の撲滅ではありません。
だからこそ「イライラする」という感情を受け入れる事も、介護職として必要なコントロールの第一歩だと私は考えています。
介護職のイライラやアンガーマネジメントについてのまとめ
ここまで「介護職のイライラ」や「アンガーマネジメント」について、まとめてきましたがいかがでしたでしょうか?
この記事で言いたかった事は、ざっとこんな感じです。
- 多くの介護職は仕事を通して、イライラしてしまう事がある
- イライラは、介護職と利用者、家族という人と人とのぶつかり合いでは自然な事
- イライラ等の感情を否定する必要はなく、むしろ受け入れるべき
- そうした怒りや苛立ちといった感情コントロールにアンガーマネジメント等が役立つ事がある
- 感情のコントロールが結果的に、仕事のストレスの軽減に繋がる事はある
更に余談ですが、、、
最近マネジメント層の方と話をすると、こうしたアンガーマネジメント等の研修を積極的に取り入れる事で「やった感」を出される方がいます。
ただし繰り返しの通り、アンガーマネジメントは感情コントロールの手段やテクニックであり、怒りやストレスそのものの原因解決に直結するものではありません。
むしろマネジメント層が直視すべきは、介護職をはじめとした従業員の怒りやストレスの根源を見極めて解決に向けて職場環境を見直す事です。
「介護職のイライラはある種、仕方のないもの」ただし「だから解決する必要がないもの」という訳ではないことを是非理解いただきたいものです。